1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660320
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
田川 彰男 東京農業大学, 生物産業学部, 助教授 (90216804)
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Keywords | 豆類 / 熱物性 / 非定常プローブ法 / 熱伝導率 / 温度伝導率 / 比熱 / 薄層乾燥 / 減率第二段 |
Research Abstract |
平成6年度は、豆類の熱物性および乾燥特性の測定を行い、以下のような知見を得た。 1.豆類の熱物性の測定:非定常線熱源法を拡張した棒状熱源(プローブ)を用いた方法により、豆類の熱物性の測定を行った。試料として用いた豆類は小豆、大正金時、大豆、黒大豆の4種類であり、試料豆の含水率、温度を変え、豆類の含水率に関しては5,10,15,20,25%(w.b.)の5段階、温度に関して10,20,30,40,50℃の5段階を設定した。測定の際、微小直流電圧計で増幅したプローブの温度変化(熱起電力の変化)をデーターロガー(横河PD-30で読み取り、RS232Cインターフェイスを介してパーソナルコンピュータ(NEC PC-9801BX)に取り込み、B lackwellの式をまとめたθ_1=Alnt+B+1/t(Clnt+D)…(1)に非線形最小二乗法を適用して測定データをあてはめ、A,B,C,Dの4つのパラメータを得た。このパラメータの値を利用し、Aから熱伝導率λが計算され、さらに、温度伝導率κの逆数と、プローブの単位長さ当たりの熱容量MCを未知数とし、C,Dを構成している2つの式からなる連立非線形方程式をNewton-Raphson法で解くことにより、温度伝導率kが得られる。さらに、あらかじめ測定していた各含水率ごとのかさ密度を考慮して、C=λ/κρにあてはめることにより、比熱を算出することができた。測定結果と(1)式により得られた計算結果との適合性は極めて良く、この方法による熱物性の算出は、非定常プローブ法による豆類の熱物性値測定の解析に有用である。平成7年度は4種類のみならず、他の豆についても、上記のすべての設定条件における熱物性の測定と結果の取りまとめを行う。2.豆類の乾燥特性の測定 平成6年度は小豆、大正金時の薄層における乾燥特性の測定を行った。このこの結果、これらの豆類の乾燥期間は減率乾燥第二段にあり、小豆は拡散方程式の解の無限円筒モデル、大正金時に関しては無限平板モデルにより説明できることが分かった。平成7年度は低温および常温除湿乾燥について実験を行う予定である。
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