1994 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星リモートセンシングによる広域放射環境の推定
Project/Area Number |
06660324
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
谷 宏 山口大学, 農学部, 助教授 (80142701)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 誠而 山口大学, 農学部, 教授 (80038299)
|
Keywords | 広域放射環境 / アルベド / 放射収支 |
Research Abstract |
本年度は、衛星データ処理システムの構築および衛星データを比較するための地上観測を主として行った。衛星データ処理システムの構築については、汎用の画像処理システムを中心にして、無料で入手できるソフトウェアパッケージや、新たに作成したアプリケーションソフトウェアを組合わせることにより、ほぼ当初の目的を達成できたといえる。 人工衛星NOAAのデータを利用した地表の放射環境の推定において、最初に着手したのは地表の短波放射収支を考える上で重要なパラメータであるアルベドの算定法についてであった。2例について衛星データと鳥取砂丘で実施中の実測値の組が得られたので比較した。筆者らが過去に得た植生上の結果と比べ、砂丘地では推定値が低めに算定されることが判明し、新たな知見が得られた。この原因については方向性反射特性、観測地の傾斜、観測時の太陽高度など、様々な角度から検討を要するが、これを突止めるとともにその結果を算定モデルへ組込む必要がある。本研究で目標としているのは植生上だけでなく様々な地表面の放射環境を推定することであるので、このような結果が得られたのは大きな収穫だったといえる。この結果は、日本農業気象学会中国四国支部大会において発表した。 その他の算定モデルについても基本的な部分はほぼ完成し、全体的にみても順調に進行したといえる。本年度は放射環境の中でも短波放射を重点的に観測・解析したが、来年度は長波放射について焦点をあて、両者を総合した放射環境の推定を行う予定である。
|