1995 Fiscal Year Annual Research Report
微生物を利用した肉製品の色調制御法の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06660341
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
近藤 洋 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (50050381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有原 圭三 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (00175994)
伊藤 良 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (90050608)
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Keywords | 肉製品 / 色調 / 乳酸菌 / Lactobacillus / 遺伝子 / ミオグロビン |
Research Abstract |
肉製品の色調を維持するために有用と考えられるニトロソミオグロビン形成機能を有する乳酸菌Lactobacillus fermentumJCM1173株を用いて、以下の検討を行った。まず、L. fermentumの色調制御機能遺伝子の同定をショットガンクローニング法およびトランスポゾン変異法により試みた。その結果、ショットガンクローニング法では種々のクローニングベクターと宿主細胞の組み合わせを検討したが、最終的に目的遺伝子を得ることはできなかった。一方、トランスポゾン変異法はこれまでLactobacillus属の乳酸菌において十分な成功例のない手法であるため、まず、方法の確立を試みた。その結果、プラスミドpHV1248を利用することにより、エレクトロポレーション法による高頻度形質転換および染色体へのトランスポゾンのランダム挿入に成功し、実験手法の完成に至った。現在、この手法を利用することにより、色調制御遺伝子の同定を進めている。また、この手法は今後広くLactobacillus属乳酸菌の機能解析や分子生物学的手法によう菌株育種に応用することができる。 L. fermentumJCM1173株が肉製品においてどの程度の色調制御機能を実際に発現するかをビーカーソ-セージを利用して検討した。その結果、ソ-セージ内部では亜硝酸ナトリウムなどの発色剤を添加しなくても十分に良好な色調を維持することが可能であり、実用上の可能性が示された。さらに、製造・貯蔵中の気相などの条件を変えることにより、色調制御機能は効果的に働くことが判明した。
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