1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660350
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 邦彦 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20188858)
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Keywords | 卵子成熟 / 成熟促進因子 / p34^<cdc2> / サイクリンB |
Research Abstract |
基礎データとして当初測定を予定していたp34^<cdc2>とサイクリンBの卵細胞内の濃度、合成、結合状態の変化を成熟分裂期間を通して調べることに成功した。まず卵丘細胞を材料としてp34^<cdc2>、サイクリンBの抗体を用いたwestern brotting、p34^<cdc2>とサイクリンの結合状態を探るためのimmunoprecipitation、およびMPF活性発現に影響するリン酸化チロシン特異的抗体を用いたMPFのリン酸化状態の変化を調べる方法を確立した。この方法を用い豚卵子について成熟分裂期間を通して調べた結果、他の多くの種での報告と異なり、未成熟卵のサイクリンBは極めて少量であり、卵核胞崩壊(GVBD)以後急激に増加することが明らかとなった。この事実を裏付けるように、サイクリンBはGV期の卵子では産生されず、第一及び第二減数分裂中期では盛んな産生が検出された。p34^<cdc2>は成熟期間を通して総量は変化しないが、サイクリンB/p34^<cdc2>複合体の量はサイクリンBの量を反映し、GV期の卵子では極めて少く、第一減数分裂中期に増加し、第二減数分裂中期ではさらに増加した。興味深いことに、第一減数分裂中期と第二減数分裂中期のサイクリンB/p34^<cdc2>複合体はSDS-PAGE上での移動度が異り、p34^<cdc2>のリン酸化の状態が違うことが示された。この違いが何を意味するかは不明だが第二減数分裂中期でのmeiosisとmitosisの切り替えやその後の発生に関与している可能性もあり、今後さらに研究を進めていきたい。当初測定を予定していた基礎データのうちimmunocytochemyによるp34^<cdc2>、サイクリンB、及びp39^<c-mos>分子の空間的な変動は、非特異的なバックグラウンドが高く思うようなデータが取れていない。immunocytochemyは使用する抗体や方法を検討する必要がある。
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