1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660353
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
星野 貞夫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (90024546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 泰男 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (50153648)
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Keywords | ルーメン藻菌 / Caecomyces / 必須アミノ酸 / 可欠アミノ酸 / キチン / タンパク質 / アミノ酸要求性 / 増殖 |
Research Abstract |
本研究はルーメン内嫌気性藻菌の培養法の改善のため、またルーメン微生物生態系でのニッチを推定する目的で、藻菌の栄養要求性、とくにアミノ酸要求性について検討するものである。本年度はルーメン内の稀少種で、しかも培養がむづかしく、単離藻菌を使った報告例のないCaecomyces属菌をもちいて昨年度のNeocallimastix属菌と同様な検討を行い、属間のアミノ酸要求性の違いを比較した。 本Caecomyces sp.K1においてもタンパク質合成量とキチンのそれとは高い正の相関をみとめた(r=0.80,p<0.001,n=102)ので、増殖の指標として菌体タンパク質をもちいることにした。N源として硫酸アンモニウムのみを含む基礎培地に18種のアミノ酸(18AA)、10種の必須アミノ酸(10EAA)、8種の可欠アミノ酸(8NEAA)を添加したところ、8NEAA、18AAの順に増殖を有意に促進したが、Neocallimastix属菌で効果のあった10EAAの添加はまったく無効であった。 一番効果のあった8NEAAから、Ser,Glu,Gly,Cysを各々除いたものを添加したところ、Ser,Cysを除去した時、有意に増殖量が低下したので、これらが本菌の生育を左右する因子のひとつであると考えられた。CysについてはNeocallimastix sp.N13の場合にも有効性が認められているが、Serは同菌にそのような効果をあたえなかった。しかし、Orpinの報告にあるようにNeocallimastix patriciarumではSerの増殖促進効果がある。このように、ルーメン藻菌のアミノ酸要求性は、属はもちろんのこと種や株によっても異なる可能性があることがわかった。
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Research Products
(1 results)