1994 Fiscal Year Annual Research Report
S.hyicusの表皮剥脱毒素産生能と滲出性表皮炎の発症との関連
Project/Area Number |
06660391
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 久聡 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (40154083)
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Keywords | Staphylococcus hyicus / 滲出性表皮炎 / 表皮剥脱毒素 |
Research Abstract |
滲出性表皮炎(EE)罹患豚由来Staphylococcus hyicus33株と健康豚由来S.hyicus46株のshET産生能を1日齢ニワトリひな接触試験により確かめたことろ、EE豚由来株の87.5%と健康豚由来株の76.1%がshETを産生した。次に、大型プラスミドを保有せず、shETを産生するP-1株由来のshETに対する抗体(抗P-1/ET)と大型プラスミドを保有し、抗P-1/ETと反応しないshETを産生するP-23株由来のshETの対する抗体(抗P-23/ET)を用いて各々の株の培養上清との間で免疫拡散法を実施したところ、EE豚由来株と健康豚由来株の何れにも、抗P-1/ETとのみ反応する株、抗P-23/ETとのみ反応する株および両方の抗体と反応する株が認められた。そこで、shET産生能とEEの発症との関連を明らかにするため、抗P-1/ETとのみ反応するshET(shET-A)を産生する株、抗P-23/ETとのみ反応するshET(shET-B)を産生する株、何れのshETも産生しない株をEE豚由来株と健康豚由来株からそれぞれ選択し、3週齢のブタに10^9〜10^<10>CFU接種し、1週間観察した。shET-AおよびshET-B産生株接種豚では、接種2時間後に接種部の発赤が認められ、24時間以内に発赤部周辺に表皮の剥脱が認められた。その後、表皮剥脱部位が拡大するとともに滲出物と痂皮形成が認められた。なお、この症状は、EE豚由来株でも健康豚由来株でも生じた。shET非産生株接種豚では、接種2時間後に接種部の発赤が認められたものの、48時間以内に消失し、表皮剥脱・滲出物・痂皮形成といったEEに特徴的な臨床症状は全く認められなかった。 以上の結果より、健康豚もshET産生性S.hyicusを高率に保有していること、EE豚由来株であろうと健康豚由来株であろうとshET産生株はEEを発症させ、shET非産生株はEEを発症させないこと、血清型の異なる2種のshETがともにEEの発症因子となることがしさされた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Sato et al.: "A new type of staphylococcal exfoliative toxin from a Staphylococcus aureus atrain isolated from a horse with phlegmon." Infection and Immunity. 62. 3780-3785 (1994)
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[Publications] H.Sato et al.: "Possible receptors of staphylococcal exfoliative toxins produced by Staphylococcus hyicus and Staphylococcus aureus" Infection and Immunity. 63(in print). (1995)