1994 Fiscal Year Annual Research Report
異性双子で生れた雌子牛の繁殖性の予知に関する試験研究
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06660398
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
三宅 陽一 岩手大学, 農学部, 助教授 (20002256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 統一 岩手大学, 農学部, 助手 (20241490)
金田 義宏 岩手大学, 農学部, 教授 (80152817)
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Keywords | フリーマーチン / 性染色体キメラ / PCR / 腟長 |
Research Abstract |
平成6年度に立案した研究計画に従って、大学近郊の酪農地帯で生産された9組の異性双子として生まれた雌子牛(9頭)を対象に腟長の測定を試みた。その結果、腟長が10.0cm以下の雌牛は7頭(A群)で、その長さは4.5-6.5cm(平均5.7cm)であった。また、腟長が10.0cm以上の雌牛は2頭で、うち1頭(B群)の腟長は12cm、他の1頭(C群)のそれは14.5cmであった。 これらの雌牛から、無菌的にヘパリン加血液を採取して、培養し、染色体標本を作製して性染色体キメラの出現の有無を分析した。また同時に、全例について、PCR法によってY染色体特異的反復配列の存在の有無を分析した。その結果、腟長が10.0cm以下の雌牛(A群:7頭)では、すべて性染色体キメラ(XX/XY)が認められ、そのXY細胞比は16.0-96.7%(平均57.3%)であった。また、これら全例とも、PCR法によってY染色体特異的反復配列の存在が電気泳動により確認された。一方、腟長が10.0cm以上の2頭の雌牛のうち、1頭(B群)では性染色体キメラが認められず、PCR法によってY染色体特異的反復配列の存在は否定された。また、残りの1頭(C群)では、性染色体キメラ(XY細胞比:53.8%)が認められるとともに、PCR法によってY染色体特異的反復配列の存在が確認された。これらの結果から、性染色体キメラを有するものの、腟長が10.0cm以上と、正常な雌牛と同程度に生殖器が発育するものがあることが窺われた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fujishiro,A.et al.: "A fast,convenient diagnosis of the bovine freematin syndrome using polymerase Chain Reaction" Theriogenology. 43. 883-891 (1995)
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[Publications] Miyake,Y-I.,et al: "Minute fragment observed in a bovine pedigree with Robertsonian translocation" Journal of Heredity. 85. 488-490 (1994)
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[Publications] Miyake Y-I., et al.: "Chromosomal pericentric inversion detected in a Sow and her piglets" Theriogenology. 42. 241-246 (1994)
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[Publications] 三宅陽一: "誰でも,どこでも,いつでもできる!「染色体標本作製用キット」の考案" 獣畜新報. 47. 141-142 (1994)
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[Publications] 藤代朱美 ら: "性染色体キメラ(XX/XY)を有しながらも受胎した異性双子雌牛の一例" 東北家畜臨研誌. 17. 31-32 (1994)