1994 Fiscal Year Annual Research Report
ボツリヌスB型神経毒素受容体の機能に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
06660408
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小崎 俊司 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (10109895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 洋一 大阪府立大学, 農学部, 助手 (20152837)
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Keywords | ボツリヌス菌 / 毒素 / 受容体 |
Research Abstract |
ボツリヌス神経毒素(150 KDa)は重鎖(100 Kda)と軽鎖(50 KDa)で構成され、重鎖は毒作用発現に関わるシナプス前膜の毒素受容体への結合を担い、軽鎖は亜鉛依存性の蛋白分解酵素活性を持つことが明らかになっている。ラット脳シナプトソームに対する毒素の結合様式から、受容体は蛋白様物質と神経細胞膜に豊富に存在する糖脂質の1つであるガングリオシドとの両者で構成されていることが予想された。そこで毒素の性状解析を最も進めていたB型毒素に対する受容体の性状を明らかにするため、脳シナプトソーム膜からB型毒素受容体の単離を試みた結果、ガングリオシドCT1b、GD1a共存下で毒素結合活性を発現する分子量58Kの糖蛋白を精製することに成功した。この58K蛋白は抗原性、部分アミノ酸配列からシナプス小胞の構成蛋白の1つであるシナプトタグミと非常に類似した構造を持っていた。ラットには現在まで3種類のシナプトタグミン(I、II、III)の存在が明らかになっている。組織内分布からIとIIはそれぞれ主として中枢と末梢に異なって分布していることから、これらのリコンビナントシナプトタグミンを調製し、毒素結合能を調べた結果、IIはIと比べ10倍高い親和性を持つことが判った。このことはB型毒素に大して脳シナプトソーム膜上には高親和性と低親和性の2種類の毒素結合部位が存在することとよく一致し、さらに毒素はシナプス小胞のリサイクリング系を介して細胞内に侵入することが可能であると考えられた。
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