1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660414
|
Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
鷲巣 月美 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (20191736)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 卓夫 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (30143506)
新井 敏郎 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (70184257)
|
Keywords | 初代培養 / 肝細胞 / 猫 / 糖代謝 / グルコーストランスポーター / ヘキソキナーゼ |
Research Abstract |
猫のグルコーストランスポーターを中心とした糖代謝を研究することを目的とし,安定した条件下での実験系を作成するため,初代肝細胞培養を試みた. 肝組織の採取は肝葉部分切除による外科的生検法に準じて実施し,採取組織切断面の大型血管2本にカニューレを装着し,0.05%コラゲナーゼ液の灌流により酵素的に細胞を分散させた.収率は概ね10^7細胞/g肝組織であり,細胞生存率は常に80%以上であった. 培地は10^<-7>M牛インスリン,10^<-7>Mデキサメサゾン,5000KIU/1アプロチニン,10%牛胎児血清および100U/mlペニシリンG,100μg/mlストレプトマイシン含有Williams Eを用い,コラーゲンコートディッシュに約1×10^5細胞/0.2ml/cm^2の密度で散布し,5%CO_2,95%room air,37℃で培養した. 分離肝細胞は培養4時間後にはほとんどがディッシュ底面に付着し,24時間後には伸展し,48時間後には敷石状にディッシュ底面を埋め尽くした.肝細胞の形態は培養7日目まで維持されていた.また,肝特異的機能として尿素産生,糖新生およびアルブミン合成を5日間にわたって測定したところ,概ねラット初代培養肝細胞と同様の結果が得られた. in vivoの実験系ではホルモン,神経などの種々の要因に左右され,解釈が困難となるため,近年in vitroにおける実験系として初代培養肝細胞が広く用いられている.我々が猫の肝臓を用いて実施した結果,収量,生存率も良好で,培養中の肝特異的機能も十分維持されており,今後の実験に供試可能であることが明らかになった.
|