1994 Fiscal Year Annual Research Report
Om/N系ラットにおける蛋白尿発現と腎糸球体障害進行機序に関する研究
Project/Area Number |
06660415
|
Research Institution | AZABU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
代田 欣二 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (70147974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤瀬 浩 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (40106232)
|
Keywords | タンパク尿 / ネフローゼ症候群 / ラット |
Research Abstract |
糸球体基底膜の荷電状態を超薄切片と陽性荷電化金コロイドを用いて観察した結果、Om/N系ラットではSDラットと比較すると生後6週より外透明層の陰性荷電が有意に減少することが明らかになり、Om/N系ラットでは糸球体基底膜における陰性荷電が他系ラットよりも低く、この現象と蛋白尿発現とに何らかの関連があることが示唆された。しかし、Om/N系ラットの各週令間には有為な差が認められなかったため、更に、固定前に陽性荷電物質であるポリエチレン・イミンを新鮮腎組織と反応させ、その後超薄切片を作成する方法を試みているが、現在これについては試料の作成を終了したところである。糸球体細胞におけるインテグリン発現の変化については、通常の電顕観察から上皮細胞のそれに変化が予想されたが、抗ヒト・インテグリン抗体を用いて観察した結果、反応性が弱く、現在、反応の増強と他のより反応性の強い抗体を検索中である。尿分析については、代謝ケージにて6時間蓄尿を行いサンプル採取をほぼ終了した。蛋白量定量と等電点電気泳動法による蛋白成分の分析に関する手法安定化はほぼ終了した。糸球体内細胞外基質の変化については凍結切片を用いた免疫染色で検索した。その結果、ラミニン、フィブロネクチン、IV型コラーゲンは糸球体硬化部に増加・集積していたが、特徴的な変化は認められなかった。一方、ヘパラン硫酸については6週頃より染色性が低下する糸球体が認められ、25週ではほとんどの糸球体でそれが著しく低下した。免疫電顕法については、本研究補助金で備品として購入した紫外線重合装置を用いて手法の検討を行っており、結果は得られていない。
|