1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫応答遺伝子導入トランスジェニックマウスの作製と解析
Project/Area Number |
06670037
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
相磯 貞和 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60138013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 元之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90255422)
塩沢 昌英 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50170840)
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Keywords | トランスジェニックマウス / HLA-DQ / 免疫応答調節機構 |
Research Abstract |
クラスII組織適合性抗原分子は、B細胞、抗原提示細胞および胸腺上皮細胞に主として分布し、個体内の免疫応答レパトワールの構築、T細胞への抗原提示による免疫応答の誘導に関わり、これをencodeしている遺伝子は遺伝的に各個体の免疫応答能を規定していると考えられている。HLA-DQはヒトにおけるクラスII組織適合性抗原の一つであるが、自己免疫疾患の一つとして知られているヒトインシュリン依存性糖尿病患者において発症に関与する遺伝子の一つとして関与していることが明らかとなっている。しかし、in vivoにおいてDQ遺伝子の組織発現、及び免疫応答能への関与の検討を行うことは、従来困難であり、HLA-DQ遺伝子の免疫応答調節機構の構築における役割は不明のままであった。そこで我々は、HLA-DQ遺伝子による免疫応答調節機序を検索することを可能とする動物実験系を作製する事を目的として、DQ遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作製を試みた。導入した遺伝子としては、ヒトDQ遺伝子クローンよりDQW6及びDQW8のそれぞれのαとβのDNA断片を切り出して用いた。純系マウスであるB10. SとSJL (H-2^Sのハプロタイプを有する)のF1を作製し、この雌より採取した受精卵にDQαとDQβの両DNA断片を含む溶液をmicroinjectionした。DQW6、DQW8のそれぞれにおいてαとβの両鎖をencodeする遺伝子を組み込まれたダブルトランスジェニックマウスは、各系につき2系統の計5計のラインが確立された。導入された遺伝子のコピー数は約1-4コピーであり、蛋白質レベルでの導入遺伝子の発現を検討したところ、各マウスはマウスの内在性クラスII組織適合性抗原と同様の組織発現分布を示して発現していることが明らかとなり、DQ遺伝子の免疫応答における機能を検討する上に有用なモデルとなりうることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N Komatsu, Y Hiraoka, M Shiozawa, M Ogawa and S Aiso: "Cloning and expression of Xenopus laevis xSox12 cDNA" Biochem Biophys Acta. (in press). (1996)
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[Publications] T Kitaguchi, M Murata, S Aiso et al.: "Establishment and characterization of trangsgenic mice expression humna platelet glycoprotein Ibα" Biochem Biophys Res Co. (in press). (1996)