1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670039
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
清木 勘治 東海大学, 医学部, 教授 (40055934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嶋 一成 東海大学, 医学部, 助手 (20246078)
坂部 貢 東海大学, 医学部, 講師 (70162302)
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Keywords | ラット胎仔 / 胸腺 / 脳 / 胸腺因子 / エストロゲン受容体 / LH-RH / 免疫組織化学 / ELISA法 |
Research Abstract |
免疫系と神経系の機能軸が胎生期のどの時期に確立するのかを、ラットを用いて検討した。 胎生13〜21日令までのSD系ラット胎仔から、脳と胸腺を採集し、両器官におけるエストロゲン受容体(ER)、胸腺因子(FTS)および黄体ホルモン放出ホルモン(LH-RH)の発現状況をELISA法による定量と免疫組織学染色による局在観察とで検討した。 その結果(1)胸腺では、胎生13日令で微量ながらERおよびFTSが発現・局在し、胎生期における性ステロイドがFTSを介して免疫系へ作用する点が注目される、(2)一方、脳(特に視索前野POA)では、胎生16日令でERが発現した。これは、ラットにおける脳の性分化の時期と一致しており、脳(おそらく胸腺も)がその分化・成熟過程で性ステロイドの影響を強く受けることを示唆した、(3)さらに、胸腺においては胎生13日令よりLH-RHが発現し、POAでも同じ時期にFTSの発現が認められた。 以上の結果を総合すると、ラットにおける胸腺と脳の機能相関軸は、胎生の早い時期に確立し、両器官の機能化が相互依存性に進行する可能性が示唆された。
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