1994 Fiscal Year Annual Research Report
神経内分泌ニューロンにおける性ホルモンによる可塑性の発現
Project/Area Number |
06670081
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 敏博 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (30128136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 清司 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (30243124)
清原 壽一 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50071874)
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Keywords | 可塑性 / 神経内分泌 / エストロゲン / オキシトシン |
Research Abstract |
我々はこれまで、視床下部のオキシトシン分泌ニューロンにオキシトシンを投与すると、雄ラットではニューロンは促進反応を示すが、virgin雌では抑制反応を示し、第一仔の分娩時に促進反応に逆転し、授乳が終了すると元の抑制反応に戻る事を明らかにして新しいタイプのニューロンの可塑性を見出した。 本研究ではこの可塑性を発現させる因子の究明を第一の目的とし、以下の結果を得た。(1)卵巣切除したラットの視索上核を薄切片として摘出し、微分干渉顕微鏡下で細胞外記録を行い、ニューロンのオキシトシンに対する反応を調べたところ促進反応を示した。よって、ニューロンのオキシトシンに対する抑制反応発現には卵巣から分泌される因子が必要である事が解った。(2)卵巣切除したラットにエストロゲンを投与するとオキシトシンは抑制反応を惹起する事から、反応逆転を引き起こす因子の少なくとも一つはエストロゲンである事が解明した。(3)エストロゲンを投与する直前にアニソマイシンを投与し、蛋白質の合成を阻害するオキシトシンはニューロン活動を促進したので、エストロゲンの作用発現には新たな蛋白質の合成が必要である事が解った。(4)インタクトのvirgin雌ラットをアンチ・エストロゲンであるタモキシフェンで処理すると促進反応が出現するので、エストラゲンが視床下部のニューロンに作用し可塑性を引き起こす因子である事が判明した。(5)上記の実験における抑制反応、促進反応はどちらも同じオキシトシン・リセプタ・アンタゴニストで反応が阻止できる事から、同一レセプタを介する反応と考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Nakashima: "Naloxone suppresses the rising phase of fever induced by interferon-α." Brain Research Bulletin. 36. in press (1995)
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[Publications] T.Nakashima: "Effect of epoxygenase inhibitors of interleukin-1β induced fever of rat" Pathophyiology. 1. S184- (1994)
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[Publications] T.Kiyohara: "Effect of ovarian hormane on the neural plasticity in the rat supraoptic nucleus." Pathophysiology. 1. S267- (1994)
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[Publications] S.Miyata: "Expression of c-fos immunoreactivity in the hypothalamic magnocellular neurons during chronic osmotic stimulation" Neuroscience Letters. 175. 63-66 (1994)
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[Publications] S.Miyata: "Structural dynamics of neural plasticity in the supraoptic nucleus of the rat hypothalamus during dehydration and rehydration" Brain Research Bulletin. 34. 169-175 (1994)
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[Publications] S.Miyata: "Not only osmotic stress but also repeated restraint stress causes stractural plasticity in the supraoptic nucleus of the rat hypotholamus" Brain Research Bulletin. 33. 669-675 (1994)
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[Publications] T.Nakashima: "Inteqrative and cellular aspects of autonomic functions temperatue and osmoregulation." John Libbey Eurotext,Paris, 5 (1994)
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[Publications] 清原壽一: "脳機能の解明-分子から病態まで" 創風社, 6 (1994)