1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670089
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
斉藤 満 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (80126862)
|
Keywords | 運動 / 昇圧反応 / 筋交感神経活動 / 筋線維タイプ / 筋化学受容器 / 体温 |
Research Abstract |
平成6年度は主として運動時の循環調節に対する末梢入力がどのような因子で修飾されるか検討を加えた。 1)末梢入力に対する活動筋群(筋線維タイプ)の修飾 運動時の昇圧反応には活動筋化学受容器からの求心性入力が重要な働きを行なっているが、この入力は骨格筋群、特に筋線維タイプによって異なる可能性がある。この確認を目的として、健康な成人12名を対象に筋線維組成の異なる3筋群、すなわちヒラメ筋、前頚骨筋および前腕筋群の静的収縮時の血圧および筋交感神経(血管運動神経)反応を解析した。随意最大筋力の20、33、50%張力を2分間とそれに続く2分間の動脈阻血では、遅筋線維割合の高いヒラメ筋の昇圧および筋交感神経反応は他に比べて有意に低値を示し、末梢入力の大きさが筋線維タイプで異なることが示された。これが筋化学受容器感受性の違いか、あるいは筋酸化代謝能差が原因であるかについての結論は今後の課題である。 2)長時間運動時の交感神経活動 短時間低強度自転車運動では血圧上昇はみられるが筋交感神経活動亢進はみられない。長時間運動においてこの現象が観察されるか否かについて30分間の低強度自転車運動時(最大酸素摂取量の40%強度)の筋交感神経反応の解析を行なった。筋交感神経活動は運動開始10分から増加し安静値を越えた。しかし、血中乳酸濃度はむしろ安静値より低下傾向を示した。この結果は長時間低強度運動にともなう筋交感神経亢進は活動筋代謝受容器反射によるというより他の原因が考えられた。同時に測定した鼓膜温の上昇が筋交感神経活動と同様に運動開始後10分頃より上昇したことから、運動にともなう体温上昇が筋交感神経活動上昇に対しなんらかの影響を与えたと推察された。
|