1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト・ヒスチジン脱炭酸酵素遺伝子の発現調節とヒスタミン合成制御機構の解明
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06670097
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大津 浩 東北大学, 医学部, 助手 (60250742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 広平 東北大学, 医学部, 助手 (20200579)
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Keywords | ビスチジン脱炭酸酵素 / 肥満細胞 / 血球分化 / 転写制御 / 細胞特異性 / 転写因子 |
Research Abstract |
ヒスタミンの合成酵素であるヒスジン脱炭酸酵素(HDC)遺伝子の転写調節機構を研究しているが次のような現象が明らかとなった。 1.HDC遺伝子の上流5.8Kbとルシフェーラゼ遺伝子の融合遺伝子を作成した。その後、種々の欠失変異体を作成し、肥満細胞株HMC-1、好塩基球細胞株KU-812-F、前骨髄系細胞株K562、子宮頚癌細胞株HeLaに遺伝子導入し、プロモーターの活性を評価した。その結果、HeLaとそれ以外の細胞系では基本転写機構が明らかに異なっていた。HMC-1、KU-812-F、K562ではGC-boxを含むプラスミッドを導入すると転写活性化能があり、その活性は上流5.8Kbまでほぼ同程度だった事から上流5.8Kb以外にエンハンサー、あるいはサプレッサーが存在する可能性が高い。現在解析中である。 2.マウス肥満細胞腫由来の細胞株であるP815細胞は、同系マウスBDF1の腹腔内で腫瘍性に増殖する。増殖した肥満細胞は細胞内顆粒の数を増し、顆粒内プロテアーゼの一種であるMMCP-6やHDC遺伝子を発現し始める。この分過程において同時にいくつかの転写因子の遺伝子発現の変化を観察した結果、NF-E2と呼ばれる赤血球系で詳しく研究されている転写因子群が大きく変化していた。NF-E2は大小二つのサブユニットから成り、大サブユニットであるp45と小サブユニットであるmafKいずれの遺伝子も分化と伴に消失した。今後は、肥満細胞の分化過程におけるこれら転写因子の発現制御がHDCの遺伝子発現にどのように関連するか解析するつもりである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamauchi,K.etal: "Moleurla Biological Aspects ofHuurn C-Histcdine Decarboxylase" Advances in the Biosciences. 89. 177-196 (1993)
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[Publications] Yatsunai,K.eta: "Structure of the L-histidine decarboxylase gine" J.Biologicul Cheuistry. 269. 1554-1559 (1994)
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[Publications] 大津浩,山本雅之: "『造血因子』GATA因子によるマスト細胞の分化制御" 北村 幸彦,メディカルレビュー社., (1995)