1995 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋の興奮収縮連関の分子機構-DHP受容体からリアノジン受容体への情報伝達
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06670100
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
大室 弘美 東京大学, 医学部(医), 助手 (00124470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 正光 東京大学, 医学部(医), 教授 (50133939)
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Keywords | 骨格筋 / 興奮収縮連関 / リアノジン受容体 / DHP受容体 / カルモデュリン結合蛋白質 / リポアミドデヒドロゲナーゼ |
Research Abstract |
ウサギ骨格筋の興奮収縮連関においてDHP受容体からリアノジン受容体への情報伝達に関与する可能性のある分子量55Kのカルモデュリン(CaM)結合蛋白質(以下55K蛋白質と略)について、昨年度までに以下のことを明らかにした。55K蛋白質は、(1)ミトコンドリアに存在するリポアミドデヒドロゲナーゼ(LADH)と共通の抗原性を持ち、(2)分子量、等電点もほとんど一致し、(3)N末端のアミノ酸配列はブタおよびヒトLADHと90%の相同性がある。しかし、(4)LADHのCaM結合能は非常に弱いため、55K蛋白質はLADHと同一のものではないと考えられる。また、55K蛋白質は、(5)骨格筋特異的に発現し、(6)リアノジン受容体付近に局在する。本年度は、55K蛋白質とリアノジン受容体間に相互作用があるかどうかを、グリセリン処理ウサギ骨格筋の両性界面活性剤抽出液について免疫沈降法を行い調べた。その結果、抗55K蛋白質抗体でリアノジン受容体が共沈したため、55K蛋白質とリアノジン受容体間に直接、または何らかの蛋白質を介した間接的な相互作用があることが示された。また、55K蛋白質は含量が少ないため、遺伝子解析および遺伝子発現産物を用いてその性質を調べる必要があり、55K蛋白質のN末端のアミノ酸配列から予測される遺伝子配列からプローブを作成し、ウサギ骨格筋cDNAライブラリーを検索した。現在得られているクローンの塩基配列の一部を解析した結果、ヒトLADH遺伝子と相同性をもつことが明らかになり、引き続き解析を行っている。55K蛋白質の機能の生理学的解析については抗体を陽いる場合はその反応部位の問題があり、複数の抗55K蛋白質抗体を使用して検討する必要がある。このため遺伝子解析の結果から予想される機能部位のアミノ酸配列をもとに、新たに抗体を作成し解析することとした。発現させた55K蛋白質については、現在CaM結合能を解析中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takano-Ohmuro,H.(大室弘美): "Analysis of the 55kD calmodulin-binding protein in skeletal muscle." Jap.J.Pharmacol.67. 254-254 (1996)
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[Publications] Takano-Ohmuro,H.: "Characterization of 55kD calmodulin-binding protein present in sarcoplasmic reticulum of skeletal muscle." Jap.J.Pharmacol.in press. (1996)