1994 Fiscal Year Annual Research Report
心筋興奮収縮連関における細胞間チャネル蛋白の役割とその機能調節機構に関する研究
Project/Area Number |
06670121
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
宮本 篤 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50166196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山田 正人 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30183255)
木村 永一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20204985)
大鹿 英世 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045358)
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Keywords | 培養心筋細胞 / フォトニックセンサー / 老化 / 加齢 / コネキシン43 / G蛋白質 / 自動拍動 / 細胞間チャネル蛋白 |
Research Abstract |
新生仔ラット心室筋の初代培養細胞および加齢ラット心室筋を用いて心筋細胞の興奮収縮連関における細胞間チャネル蛋白質(コネキシン43)の機能的役割とG蛋白質によるその調節機構を知るため、初年度では心筋細胞集団における同期性拍動出現とコネキシン43蛋白質ならびにG蛋白質の発現および分布との時間的関係(心筋細胞の培養経過および加齢に伴う変化)を検討し、以下の点が明らかになった。 1)新生仔ラット心室筋の初代培養細胞系を確立するともに、非接触型精密変位計(フォトニックセンサー)で心筋細胞の培養経過に伴う同期性拍動の測定法を新たに考案した。これによる測定により自動拍動数は培養経過と共に増加し、培養日数に依存して非同期性拍動が同期性拍動へと変化することを観察した。(Comp.Biochem.Physiol.,107C,1994; Life Sci.,54,PL451,1994; Exp.Cell Res.,212,351,1994) 2)新生仔ラット心室筋の初代培養細胞系において、培養経過に伴う非同期性拍動が同期性拍動へと変化する時期には、細胞間ギャップ結合蛋白質のコネキシン43およびG蛋白質αサブユニット(Gsα,Gi2α,Gqα,Goα)の発現がともに上昇していることを観察した。(Comp.Biochem.Physiol.,105C,479,1993; Exp.Cell Res.,212,351,1994) 3)老齢ラット(24か月齢)心室筋では、成熟ラット(6か月齢)に比べ同期拍動性が低下している傾向がみられ、特にGsα蛋白質サブユニットならびにその遺伝子発現が低下していることを観察した。(Eur.J.Pharmacol.,266,147,1994) 新生仔ラット心筋細胞の初代培養系は、自発性拍動能を有し拍動を誘発するために電気刺激の必要性がないこと、培養経過に伴って多数の細胞が同期的拍動を開始し、生体における心筋の同期性拍動の機序を解明する上で優れた実験系である。心筋細胞の培養経過に依存した同期拍動形成と、細胞間チャネル蛋白質およびG蛋白質発現には顕著な類似した変化がある。また、加齢に伴い心筋Gsα蛋白質発現の低下がおこる。 今後の研究の方向性としては、心筋細胞の細胞間チャネル蛋白質ならびにG蛋白質の発現を特異的に抑制することにより、ギャップ結合が心筋の同期性拍動に関与しているか否かを直接的に証明し、G蛋白質によるその調節機構を明らかにすることが重要と思われる。
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[Publications] Oyamada,M,et al.: "The expression,phosphorylation,and localization of connexin 43 and Gap-junctional intercellular communication during the establishment of a synchronized contraction of cultured neonatal rat cardiac myocytes." Exp.Cell Res.212. 351-358 (1994)
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[Publications] Kawana,S.et al.: "Hypoxia inverts the negative chronotropic response to norepinephrine in normoxia in cultured neonatal rat cardiac myocytes." Comp.Biochem.Physiol.107C. 295-304 (1994)
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[Publications] Kimura,H.et al.: "Role of alphal-adrenoceptor subtypes which mediate positive chronotropy in neonatal rat cardiac mhocytes" Life Sci.54. PL451-PL456 (1994)
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[Publications] Miyamoto,A.et al.: "Impaired expression of Gsalpha protein mRNA in rat ventiricular myocardium with aging." Eur.J.Pharmacol.266. 147-154 (1994)
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[Publications] 宮本 篤他: "老齢ラット大脳皮質におけるα_1-アドレナリン受容体刺激性イノシトールシリン酸産生の変化" 神経科学. 33. 518-519 (1994)
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[Publications] 宮本 篤他: "心筋β-アドレナリン受容体の脱感作機構" 第22回薬物活性シンポジウム要旨集. 139-145 (1994)
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[Publications] Miyamoto,A.and G.S.Roth: "Molecular Basis of Aging" CRC Press (Ed.Alvaro Macieira-Coelho), 14 (1995)