1994 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変による糖転移酵素の局在と糖脂質輸送機構の解析
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06670146
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
古川 圭子 長崎大学, 医学部, 助手 (50260732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 鋼一 長崎大学, 医学部, 助教授 (80211530)
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Keywords | ガングリオシド / 糖転移酵素 / Golgi膜 / 遺伝子改変 / N型糖鎖 |
Research Abstract |
我々はガングリオシドGM2およびGD2を合成するβ1.4GalNAc転移酵素cDNAを単離し、分子生物学的手法を用いた改変により酵素タンパク分子としての機能と局在を検討した。その結果を以下に示す。 [1]現在までに解析された糖転移酵素では膜貫通(TM)部位とそのN末端側のcytoplasmic domainまたはGolgi側の一部がGolgi膜への局在を決定していることが報告されている。そこでTM部位全体を欠失したmutant遺伝子を作製し、細胞に導入した。その結果、酵素機能発現の指標としてのガングリオシド発現は全く認められず、培養液中にも酵素活性は認められなっかた。更にトランスフェクタントの各細胞分画について、酵素活性を検討したが、明らかな活性は検出されなっかた。TM部位欠失タンパクが ER に止まっているのか他の部位に存在しているのか不明であるが、Golgi への局在が撹乱され正しい機能発現が不能になったものと思われる。 [2]3箇所のN型糖鎖結合部位(可能性部位)のアミノ酸置換により得られた mutant 分子を用い、本酵素分子上の糖鎖の機能につき検討した。本酵素のアミノ酸79、179及び274番目のAsnはN型糖鎖を結合する可能性があり、in vitro transcription及びtranslationにより、これらの部位にN型糖鎖が付加しうることが示唆された。各N型糖鎖結合部位のAsnをGlnに置換したmutant遺伝子を作製し、これらの変異遺伝子をKF3027(B16)細胞に導入し、その産物を解析した。その結果、1)ガングリオシド糖鎖の一過性発現には大きな差はなかった。2)酵素活性はN型糖鎖の欠失の部位数に従い30%〜10%に低下した。3)酵素のKm値はほとんど不変であった。4)酵素タンパクの局在をモノクローナル抗体を用いて、安定発現細胞で観察すると、wild typeのトランスフェクタントは明瞭なGolgiパターンを示し、N型糖鎖欠失変異クローンのトランスファクタントも著明な差は認めなっかた。以上より、N型糖鎖は酵素活性には重要たが、Golgi膜への局在には影響を与えないと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kogo Takamiya: "T cell receptor-mediated stimulatoin of mouse thymocytes induces up-regulation of the GM2/GD2 synthase gene" FEBS Letters. 358. 79-83 (1995)
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[Publications] Shuji Yamashiro: "Substrate Specificity of B1,4 N-acetylgalactosaminyltransferase in vitro and in cDNA-transfected cells.-GM2/GD2 synthase efficiently generates asialo-GM2 in Cectain cells-." J.Bio.Chem.(1995). (in press.).