1994 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン受容体チロシンキナーゼ基質-1(IRS-1)関連分子の遺伝子クローニング
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06670153
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
西山 正輝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00180662)
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Keywords | インスリン / シグナル伝達 / IRS-1 / チロシンリン酸化 / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
チロシンリン酸化IRS-1ペプチドと抗体を用いて新たなIRS-1関連分子すなわち直接抗ヒトIRS-1単クローン抗体と反応する蛋白質因子、およびin vitroにてチロシンリン酸化したIRS-1ペプチドを介して反応する蛋白質因子の遺伝子クローニングを中心に研究を行なった。直接チロシンリン酸化IRS-1と反応する分子の発見にはいたっていない。本研究目的を遂行するための新たな試みとして、大腸菌系発現蛋白の細胞内チロシンリン酸化が可能な大腸菌を入手しプローブの改良を行なった。これにより得られたリコンビナントチロシンリン酸化IRS-1はGrb-2のSH2領域と結合することが確認できた。 IRS-1抗体と反応することによりクローニングされた新しい蛋白質は、nuclear mitotic apparatus protein(NuMa)と58%ホモロジーがあり、シグナル伝達に関与する細胞骨格系蛋白質に属するものと推定され、興味のあるものである。遺伝子と蛋白の両面より、引き続き性状解析を行なっている。 IRS-1関連分子の遺伝子クローニングと平行して、得られる関連分子の生理的意義を検討できる系の確立も試みている。この目的に対しては、肝細胞や各種癌細胞株におけるIRS-1を介した系とIRS-1遺伝子をノックアウトしたマウスを用いたIRS-1を介さない系との細胞増殖に与える役割を比較検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nishiyama,M.et al.: "The human IRS-1 gene is localized on chromosome 2 band q36." Genomics. 20. 139-141 (1994)
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[Publications] Nishiyama,M.et al.: "Sequence of a new protein which immunocross-reacts with IRS-1 has a similarity to NuMA." Journal of Cellular Biochemistry. 18A. 142-142 (1994)
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[Publications] Furusaka,A.et al.: "Expression of IRS-1 in hepatocytes : an investigation using monoclonal antibodies" Cancer Letters. 84. 85-92 (1994)
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[Publications] Kotani,K.et al.: "Involvement of phosphoinositide 3-kinase in insulin-or IGF-1-induced membrane ruffling." The EMBO Journal. 13. 2313-2321 (1994)
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[Publications] Yamori,T.et al.: "Growth promoting ettect of IGF-1 on human cancer cell lines and its signal trunsduction." Growth Regulation. 4. 116-116 (1994)
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[Publications] 古坂明弘、他: "肝細胞増殖におけるインスリン受容体基質蛋白質(IRS-1)の役割とシグナル伝達" 消化器科. 20(予定). (1995)