1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670161
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
櫛 泰典 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60177988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六川 千秋 東京医科歯科大学, 医学部, 技官
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Keywords | ABO式血液型 / 糖転移酵素 / α1-3-N-アセチルガラクトサミン / 型活性糖脂質 / ガングリオシド |
Research Abstract |
人ABO血液型を司るのはO型糖鎖を前躯体としてA型の人ではA型糖鎖を作るα1-3ガラクトサミン転移酵素、B型の人ではB型糖鎖を作るα1-3ガラクトース転移酵素の存在が知られ、その存在の有無が大きく関連している。この研究は人の赤血球のAB型の人の型活性糖脂質を詳細に調べたことによって得られた結論を基にして細胞表面のA型糖鎖、B型糖鎖発現をAB型の人ではどのように調節されているのか解明するためのアプローチで、以下の点を平成7年度に解明することを目的として研究を行った。 1。AB型の人ではA型合成酵素とB型合成酵素の両方が存在し、O型糖鎖を基質として糖鎖の伸長を行うが分岐したO型糖鎖にA型糖鎖とB型糖鎖が結合したハイブリッド型の糖鎖が存在しないのか?2。しないとすればA型合成酵素とB型合成酵素は基質に対して親和性が異なるのか?あるいはA型合成酵素の局在とB型合成酵素の局在がGolgiで異なるのか?3。また、基質となる分岐型のO型糖鎖がGolgiでどのように存在するのか?を中心に研究を行い、以下の結果を得た。 1、AB型の人では中性の糖脂質で見られた現象の他に酸性糖脂質のガングリオシドでもA型糖脂質とB型糖脂質が各々別々の構造として存在し、ハイブリッド型構造も有するものは見いだされなかった。その構造の詳細は試料が不十分な量のために薄層クロマトクロマトグラフィーの結果しか得られなかった。しかもシアル酸も有するガングリオシドはクロストリジウムパ-プリングスのシアリダーゼでは抵抗性を示し、通常のシアル酸の構造とは異なる結合を有するものと思われる。 2、その詳細な構造を明かにするために大量のA型赤血球膜を集め、これを出発材料としてガングリオシドを抽出、精製を行った。イオン交換クロマトグラフィーによってモノシアロ、ジシアロ画分に分離を行い、更に、モノシアロ画分を分離し、抗A抗体により、免疫染色を行うとS-Ιの下に数本の陽性バンドが検出され、その完全構造を解析した結果、新規のA型エピトープを一方の持ち、もう一方にはシアル酸が有する構造と思われる。現在その完全構造を検討している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ariga,T.,Tao,R.V.,Lee,B.-C.,Yamawaki,M.,Yoshino,H.,Scarsdale,N,J.,Kasama,T.,Kushi,Y.and Yu,R.K.: "Glycolipid Composition of Human Cataractous Lenses:Characterization of Lewisx glycolipids" J.Biol.Chem.269. 2667-2675 (1994)
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[Publications] Watarai,H.,Kushi,Y.,Shigeto,R.,Misawa,N.,Wishi,Y.,Handa,S.,and Yasuda,T.: "Production of Monoclonal Antibody Directed to Hanganutziu-Deichger Active Gangliosides,N-glycolylneuraminic Acid-Containing Gangliosides" J.Biochem.(Tokyo). 117. 1062-1069 (1995)
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[Publications] Kushi,Y.,Tsunoda,A.,Komatsuzaki,A,Watanabe,K.,Kasama,T.,andHanda,S.: "Characterization of Blood-Group-ABO(H)-Active Glycosphingolipids in Type-AB Human Erythrocytes" Eur.J.Biochem.231. 862-867 (1995)
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[Publications] Ariga,T.,Blaine,M,G.,Yoshino,H.,Dawson,G.,Kanda,T.,Zeng,G.,Kasama,T.,kushi,Y,and Yu,R.Robert: "Glycosphingolipid Composition of Murine Neuroblastoma Cells:O-Acetlesterase Gene Down-Regulates The Exression of O-Acetylated GD3" Biochemistry. 34. 11500-11507 (1995)
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[Publications] Ariga,T.,Bhat,S.,Kanda,T.,Yamawaki,M.,Tai,T.,Kushi,Y.,Kasama,T.Handa,S.,and Yu,K.R.: "Expression and Localization of Lewis^X Glycolipids and GDla Ganglioside in Human Glioma Cells" Glycoconj.J.12. (1995)
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[Publications] 櫛 泰典: "蛋白質、核酸、酵素、複合糖質(シアル酸転移酵素)増刊" 共立出版社, 2134 (1992)
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[Publications] 櫛 泰典: "生物化学実験法36 ガングリオシト研究法II" 学会出版センター, 273 (1995)