1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670180
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 伯子 東北大学, 医学部, 助教授 (80142975)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 宣次 東北大学, 医学部, 助教授 (80107200)
|
Keywords | 前立腺癌 / 増殖因子 / アンドロゲンレセプター / TGFβ / IGF-I / Ki67 / 内分泌細胞 / クロモグラニンA |
Research Abstract |
1.前立腺癌にはしばしば内分泌細胞が混在する。この細胞はアンドロゲンレセプターがなく、治療に抵抗するといわれている。今年度は前立腺癌の内分泌組織への分化を知る目的で、クロモグラニンA (CgA)をマーカーとして、前立腺の腺癌組織および患者血漿を用いて、免疫組織化学および血中CgAの値をELISA法で検討した。コントロールとした神経内分泌腫瘍患者は全例血中CgAの値が異常高値を示した。前立腺癌患者35例中4例が高値を示し、そのうちStage D2が3、Cが1例だった。また血中CgAの値は血中PSAの値との相関を示さず、内分泌への分化を示す進行癌のマーカーとして注目すべきであり、血中CgAはPSAとは独立した腫瘍マーカーとして有用であると考えられた。(第54回日本癌学会総会1995年) 2.前立腺癌の増殖および転移を制御すると考えられる種々の増殖因子の発現を検討した。前立腺癌の増殖因子中、IGF-Iは上皮、間質の両者に求められたが、EGFRは上皮のみに、TIMP-II、BMP-2は間質のみに発現した。癌細胞はIGF-IとEGFRの両者に強陽性でTIMP-IIとBMP-2は間質のみに認められた。前立腺癌の増殖や転移にはこれらの因子の関与が考えられる。 3.前立腺癌と比較する上で、乳癌における増殖因子(EGFR_P, IGF-I, TGFα, TGFβ, BMP-2)の発現を検討した。(第3回日本乳癌学会総会)乳癌ではTGFαがほとんど全ての癌細胞および正常乳管上皮に認められ、乳癌の増殖にとって重要な因子であることが判明した。これらの増殖因子と受容体の関係を明らかにすることにより、癌の病態が明らかになることが期待される。
|
Research Products
(11 results)
-
[Publications] 木村伯子 他: "前立腺癌及び神経内分泌腫瘍における血漿クロモグラニンAの検討" 日本癌学会総会プログラム. 54. (1995)
-
[Publications] 木村伯子 他: "神経芽腫群腫瘍褐色細胞腫及び網膜芽腫における神経成長因子レセプター,p75NGFRとTrk A protooncogene産物p140Trkの発現" 日本病理学会会誌. 84. (1995)
-
[Publications] 木村伯子 他: "副腎髄質細胞の機能発現とその制御" 日本内分泌学会誌. 71. (1995)
-
[Publications] 木村伯子 他: "甲状腺癌におけるEGFR, TGF-α, Ki67, p53の発現とその腫瘍生物学的意義-免疫組織化学的検討" 日本病理学会誌. 84. 310- (1995)
-
[Publications] 木村伯子 他: "乳癌における増殖因子の検討" 日本乳癌学会誌. 3. (1995)
-
[Publications] Kimura Noriko et al.: "Immunohistochemical localization of chromostatin and pancreastatin, chromograni A-derived bioactive peptides, in normal and neoplastic neuroendocrine tissues." Endocrine Pathology. 6. 35-43 (1995)
-
[Publications] Kimura Noriko et al.: "Expression of prohormone convertase, PC2, in adrenocorticotropin-producing thymic carcinoid with elevated plasma corticotropin-releasing hormone." J. Clin Endocrinol Metab. 81. 390-395 (1996)
-
[Publications] kimura Noriko et al.: "Study of intraoperative cytodiagnosis : combination use with frozen section." Acta Cytologica. 39. 352- (1995)
-
[Publications] Kimura Noriko et al.: "Cytodiagnosis of well-differentiated cervical carcinoma in situ." Acta Cytologica. 39. 334- (1995)
-
[Publications] Kimura Noriko et al.: "Expression of prohormone convertase, PC 2 in ACTH-producing thymic carcinoid." Int J Oncology. 7 (Supple). 1006- (1995)
-
[Publications] Kimura Noriko et al.: "Tissue localization of NGF receptors, TRK A, LNGFR and protooncogene RET in neuro blastoma, pheochromocytoma and retinoblastoma" Int J Oncology. 7 (Supple). 969- (1995)