1995 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌・大腸癌の進展において重要な染色体異常をDNA分子雑種法によって同定する試み
Project/Area Number |
06670199
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
杉原 洋行 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30171169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木谷 奏 (桂 奏) 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60234259)
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Keywords | 胃・大腸癌 / Comparative genomic hybridization / 間期核細胞遺伝学 / 遺伝子増幅 / DOP-PCR |
Research Abstract |
1。本年度も前年度に引き続き、共焦点レーザ顕微鏡システムでCGHのデータ解析を行うためのプログラムづくりを進めたが、今年度中の完成はできなかった。しかし、染色体領域の25-50倍程度の増幅に関しては、特に定量化しなくてもCGHで検出できることが昨年度にわかっていたので、遺伝子増幅が検出された胃癌症例でCGHを試みた。c-metまたはk-samの増幅の検出された未分化型胃癌症例は進行期であったため、腫瘍間質が多く、microdissectionとDOP・PCRを用いて、十分な量のDNAを回収すべく努力した。前年度、培養細胞の限界希釈法で10-100個の核からでもDOP-PCRでprobeにできる程度のDNAが得られることが明らかになっていたが、実際に細胞種を同定しながら、組織から少数の核を採取するためには、通常の顕微鏡下では困難で、本格的なmicromanupulatorが必要であることがわかった。 2.凍結材料での試行錯誤が続いているため、ホルマリン固定材料からDOP・PCRでCGHに十分量のDNAを回収できるかどうかに関しては、今年度は検討することができなかった。 3.N-myc遺伝子の増幅が示された神経芽細胞腫の症例で、N-mycのcosmid probeを用いて、FISHを行い、増幅が実際に起こっていることが、形態的にも裏付けられた。 大腸癌の新鮮材料の顕微蛍光測光によるDNA ploidyの決定とFISHによる主要な染色体のcopy数の同定を進め、7番、18番染色体の増減とploidyとの対応づけを行った。また複数サンプリングした箇所のploidyおよび染色体構成のheterogeneityを検討し、clonal evolutionの過程を推定した。その結果、trisomy7とmonosomy18が大腸癌の進展のかなり初期から見られるものがあることがわかった。
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[Publications] 杉原 洋行: "Ploidy heterogeneityとras mutationからみた大腸癌の進展" 癌と化学療法. 22. 140-144 (1995)
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[Publications] Katsura K.: "Combined FISH and ploidy analysis of intratumoral variation of chromosomal copy number in colorectal carcinomas." Concer Genet.Cytogenet.(in press). (1996)
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[Publications] 杉原洋行: "新しい光学顕微鏡 第二巻 共焦点レーザ顕微鏡の医学・生物学への応用" 学際企画, 200 (1995)