1994 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞の活性化と機能に関連した細胞表面抗原の免疫学的及び遺伝子工学的解析
Project/Area Number |
06670242
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
長田 憲和 関西医科大学, 医学部, 講師 (40155940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹谷 茂 関西医科大学, 医学部, 助教授 (20121949)
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Keywords | T細胞 / 細胞表面抗原 / クローニング / 自己反応性 / Th2 / Th1 |
Research Abstract |
我々は現在まで、「MRL/lpr→MRL/+」キメラマウスにみられるwasting syndrome(lpr-GVHD)について研究を行ってきた。その過程で2種の単クローンを樹立した。一つはF6C7抗体(IgG2b,k)で、多くの血球系細胞と反応した。その反応抗原は、約78kDaと70kDaのヘテロダイマーであった。FACSを用いて解析すると、F6C7反応抗原は、顆粒球とB細胞に多く(++)分布していた。また、T細胞については、胸腺細胞・末梢T細胞ともに弱陽性(-から+)を示した。さらに、末梢T細胞をin vitroで刺激して、F6C7反応抗原の変化について検討した。興味あることに、自己リンパ球混合培養反応によって活性化されたCD4^+あるいはCD8^+T細胞はいずれも、F6C7反応抗原の著名な増加(++)を示した。同種リンパ球混合培養反応では、CD4^+T細胞のみが強陽性(++)となり、CD8^+T細胞は弱陽性にとどまった。これらの結果は、F6C7反応抗原がT細胞の活性化,特にその活性化刺激(自己に対する反応)に関連していることを示している。実際に自己免疫疾患を自然発症するMRL/lprマウスでも比較的早期にF6C7反応抗原が強陽性のT細胞の増加が認められた。 他の一つは、25T3抗体(IgM,k)で、末梢CD8^+T細胞の70〜80%とCD4^+T細胞の約30%が陽性に染色された。25T3反応抗原はT細胞にのみ存在し、その分子量は約70kDaであり、glycophosphatidylinositolによって膜上にアンカーされていた。この抗体により、末梢CD4^+T細胞を2つのsubsetsにソーテイング後in vitroで抗CD3抗体によって刺激し、機能を比較した。25T3陽性細胞は陰性細胞よりも、IC-2を多く産生したが、IL-4の産生は低かった。従って、25T3陽性細胞は、比較的Th1にまた陰性細胞はTh2に属すると考えられた。 現在これら抗原の機能との関連について検討し、さらにクローニングを試みている。
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[Publications] Nagata N,Saitoh T,et al.: "Transplantation and MHC antigen expression of tumo rmast cells" Exp.Toxic Pathol.45. 29-34 (1993)
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[Publications] Nagata N,Taketani S,et al.: "A monoclonal antibody reactive with a glycophosphatidylinositol-anchored molecule on T cells defines CD4^+T cell subsets." Eur.J.Immunol.23. 1193-1196 (1993)
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[Publications] Nagata N,Taketani S,et al.: "A heterodimer increasing on activated T cells." Cellular Immunol.153. 516-526 (1994)
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[Publications] Nagata N,Miyashima S,et al.: "A murine nephritogenic monoclonal antibody binds to both ssDNA and glomerular mesangium." Lab.Invest.71. 765-772 (1994)