1995 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞におけるヒト内在性レトロウイルスの発現調節の解析
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06670246
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Research Institution | Tokyo Metropolitan institute of Gerontology |
Principal Investigator |
丸山 直記 (財)東京都老人総合研究所, 分子病理, 研究部長 (00115940)
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Keywords | ヒト内在性レトロウイルス / LTR / プロモーター / DNA結合蛋白 |
Research Abstract |
ヒト内在性レトロウイルス遺伝子は染色DNAに組み込まれており通常の遺伝子と同様に転写因子が関与して発現調節が行なわれていると考えられる。腫瘍細胞において活性化される可能性が存在するヒト内在性レトロウイルス様遺伝子Clone 4-1のLTR領域のプロモーター活性を解析した。ヒトTリンパ腫細胞株であるJurkat細胞を用いて解析した。プロモーター活性の定量化はルシフェラーゼをレポーター遺伝子とした方法を用いた。1241bpのClone 4-1 LTRを用いて10個のfragmentを作製して解析に用いた。その結果強いプロモーター活性を示す184bpのfragmentと発現抑制的に作用する242bpのfragmentを検出した。さらにこれらのDNA fragmentへの蛋白結合を2種類の方法gel shift assay法およびin vivo foot printin法により解析した。gel shift assay法の結果からClone 4-1 LTRに結合する蛋白の特異的な結合が観察された。これは転写に関与する蛋白の存在を示唆している。Jurkat細胞の核から抽出した核蛋白が結合したClone 4-1のLTRをPCRを用いて解析するin vivo foot printingの結果からはLTRを介した発現制御は複数のDNA配列に対し複数の種類の因子の結合によりなされていることが推定された。本研究からはヒト内在性レトロウイルスのLTRも他のレトロウイルスと同様に強いプロモーター活性を持つことが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Utsunomiya, Y.他: "Suppression of immune complex nephritis in N2B/WF_1 mice by a prostacycline analog." Clinical and Experimental Immunology. 99. 454-460 (1995)
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[Publications] Fujita, T.他: "Isolation of cDNA clone encoding human senexence marker protein -30(SMP30) and its location on the X chromosome" BBA. 1263. 249-252 (1995)
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[Publications] 関川厳 他: "間質性肺炎を伴った全身性エリテマトーデス患者より分離されたレトロウイルスの解析" 日本炎症学会雑誌. (印刷中).
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[Publications] 関川厳 他: "SLEと環要因-レトロウイルスを中心として-"