1994 Fiscal Year Annual Research Report
寄生虫幼虫の排出・分泌物質の中間宿主貝血球細胞への影響
Project/Area Number |
06670265
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野田 伸一 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60112439)
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Keywords | 無脊椎動物 / Biomphalaria glabrata / 細胞骨格 / DNA定量 / ヘモサイト / 生体防御 / ファロイジン / よう化プロピジウム |
Research Abstract |
寄生虫の中間宿主となる貝の生体防御を担っている血球細胞の表面構造を調べるために、特有な糖鎖構造に対する特異性を持つ蛍光色素で標識されたレクチン21種(Con A,DBA,PNA,RCA_<120>,SBA,UEA-I,WGA,GSL-I,LCA,PHA-E,PHA-L,PSA,SJA,S-WGA,GSL-II,DSL,ECL,Jacalin,LEL,STL,VVL)で蛍光染色を行った。その結果、浸入してきた細菌や寄生虫の排除に直接に関与すると考えられる顆粒細胞(granulocyte)は表面にα-結合マンノース、そして小顆粒細胞(hyalinocyte)はα-結合マンノースとN-アセチルグルコサミンを持つことが明らかになった。今後は寄生虫の表面構造との関連も調べる予定である。ストレスファイバーは多くの培養細胞で特に顕著な細胞骨格構造で、細胞の運動や広がりにも関与していると考られている。貝の血球細胞内のストレスファイバーを蛍光色素で標識されたファロイジンで染色することを試みた。大きく広がった顆粒細胞はあまり染まらなかったが、広がっていない顆粒細胞や小顆粒細胞は強く染まった。今後は寄生虫感染に伴う変化を調べる予定である。貝の血球細胞は体液中でも分裂しているが、寄生虫の感染により細胞分裂の状況が変化することが予想される。フローサイトメトリー法による血球細胞の核DNA量解析を予定しており、そのためによう化プロピジウムを用いた核DNAの染色を試みた。貝の血球細胞でもこの染色方法が使えることが確認できた。
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