1995 Fiscal Year Annual Research Report
寄生虫幼虫の排出・分泌物質の中間宿主貝血球細胞への影響
Project/Area Number |
06670265
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野田 伸一 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60112439)
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Keywords | 無脊椎動物 / 生体防御 / Biomphalaria glabrata / 血球細胞 / DNA量 / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
寄生虫の中間宿主となる貝Biomphalaria glabrataの生体防御を担っている血球細胞群の解析をフローサイトメーターを用いて試みた。非感染貝7.10および15mmの血球細胞について、粒子のサイズを反映する前方散乱光と内部構造を反映する側方散乱光を測定した。7mm貝では前方散乱光が強く側方散乱光が弱い細胞群と前方散乱光が弱く側方散乱光が強い細胞群が認められたが、貝のサイズの増加に伴って、後者の細胞群は減少し、15mmの貝ではほとんどが前方散乱光が強く側方散乱光が弱い細胞群であった。棘口吸虫科の寄生虫Echinostomaparaensei感染1週間後の7mm貝の血球細胞について同様の測定を行なったところ、前方散乱光が強く側方散乱光が弱い細胞群のみであった。 寄生虫の感染および寄生虫抽出物が宿主貝の血球細胞の核DNA量に及ぼす影響をフローサイトメーターを用いて測定した。感染貝では非感染貝に比べ核DNA量が少ない細胞の増加が見られた。非感染貝の血球細胞に寄生虫の抽出物を加えると,同様の変化が見られた。 感染貝の血球細胞をFITC-ファロイジンで染ると,染まる細胞の割合が非感染貝に比べ低下した。 以上の結果から,寄生虫の感染および寄生虫抽出物は宿主貝の血球細胞のサイズ・内部構造・核DNA量(細胞周期)および細胞骨格に影響を与えることが明らかになった。
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