1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670270
|
Research Institution | Juntento University School of Medicine |
Principal Investigator |
内田 桂吉 順天堂大学, 医学部, 講師 (40053368)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江下 優樹 久留米大学, 医学部, 講師 (10082223)
大森 大二郎 順天堂大学, 医学部, 助教授 (00124967)
|
Keywords | アカイエカ / 分子生物学 / 卵巣発育機構 / 脂肪体 / 器官培養 / 卵黄タンパク |
Research Abstract |
1.昨年度開発した蚊卵巣器官培養法をさらに発展させ、細胞培養用ウエルおよび高濃度アミノ酸を含む培養液を用いて吸血後2〜3日経過したアエイエカの脂肪体および卵巣を8時間または12時間培養したところ、一部の瀘胞で培養開始時点より長径が増加したり、成熟卵特有のmicropyle apparatusを形成するなど、この方法によるin vitroでの卵巣の発育が確認された。 2.上に述べた器官培養法を用いて脂肪体のみを8時間または12時間培養し、培養液中に卵黄タンパクの放出があったかどうかをアカイエカ卵黄タンパクに対する抗体を用いて調べたが、明らかな免疫反応は見られなかった。現在このように培養された脂肪体の細胞内において卵黄タンパクの合成があるかどうか分析を急いでいる。 3.卵巣特異的タンパクを調べるため器官培養と平行して吸血雌より発育中の卵巣を摘出し分析したところ、カテプシン様のプロテアーゼ活性が卵発育とともに飛躍的に増加することがわかった。 <現在の研究の状況および展望> 1.2で培養した脂肪体を集め、脂肪体内に卵黄タンパクをコードするmRNAが合成されたかどうか現在PCR法を用いて分析中である。 2.発育中の卵巣に見つかったプロテアーゼは明らかに卵巣自身によって合成される卵巣特異的タンパク質の一種で、一部は退化瀘胞の分解に働いていると考えられる。発育中の卵巣を上の器官培養法で培養し、退化瀘胞を顕微鏡下で集め、合成されているプロテアーゼおよびそれをコードする遺伝子を分析することにより、蚊の成熟卵数調節機構が解明されることが期待できる。
|