1995 Fiscal Year Annual Research Report
ボツリノリジンおよびその他の細菌性チオール活性化溶血素の心臓毒作用の解析
Project/Area Number |
06670292
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 央 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (20142317)
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Keywords | 細菌毒素 / チオール活性化溶血素 / ウエルシュ菌 / θ毒素 / 血管収縮性 / 内皮細胞 / NO / EDRF |
Research Abstract |
細菌性チオール活性化溶血素の一つであるウエルシュ菌θ毒素の血管収縮性に対する作用について、ラットの摘出単離大動脈の環状標本を用いて、ボツリヌス菌が産生するボツリノリジンの作用と比較検討して以下の結果を得た。 1.θ毒素とボツリノリジンは1HU/ml,10mlを摘出単離心臓に灌流すると、冠動脈灌流圧の急激な上昇と心臓の自発的収縮運動の停止を引き起こす。 2.θ毒素とボツリノリジンを心臓に灌流して得られた灌流液中の一酸化窒素濃度は、現在最も高感度とされている2,3-Diaminonaphthaleneを用いた蛍光測定でも検出感度以下であったので、細菌性チオール活性化溶血素のNO合成放出に対する作用の生化学的確認は現在のところ不可能であることがわかった。 3.θ毒素は、ボツリノリジンと同様に、ラットの摘出単離した大動脈環のαアゴニストによる収縮張力を増大させた。 5.内皮細胞をあらかじめ除去したラット大動脈環のαアゴニストにより収縮張力はθ毒素による大動脈環の処理前後で変化しなかった。 6.θ毒素は濃度依存性に、あらかじめαアゴニストで収縮したラット大動脈環のアセチルコリンによる弛緩を、抑制した。 以上の結果より、ウエルシュ菌が産生するθ毒素は、ボツリヌス菌が産生するボツリノリジンと同様に、血管内皮細胞に作用してEDRFの産生放出による血管の弛緩を抑制することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)