1994 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスによる免疫抑制の分子機構-麻疹ウイルス感染をモデルとして-
Project/Area Number |
06670322
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳 雄介 東京大学, 医学部(医), 助手 (40182365)
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Keywords | 麻疹ウイルス / 免疫抑制 / 麻疹ウイルスレセプター / 細胞融合 |
Research Abstract |
本研究は麻疹ウイルス感染をモデルとしてウイルスによる免疫抑制の分子機構を解明することを目的としている。ウイルス感染細胞上に発現されたウイルスエンベロープ蛋白質がまわりのリンパ球とウイルスレセプターをかいして結合することによりそれらのリンパ球に何らかのシグナルを与えてマイトゲンに対する反応を抑制する可能性を検討するために、麻疹ウイルスエンベロープ蛋白質を発現している細胞の樹立を試みた。遺伝子導入によりH蛋白質を安定に発現しているVero細胞株を樹立した。H蛋白質の発現は免疫蛍光染色、サル赤血球の吸着により確かめた。F蛋白質を発現している細胞株も発現している細胞株も現在作製中である。この様にして樹立された細胞と健常人のリンパ球をco-cultureしマイトゲン刺激後のリンパ球増殖にどのような影響が見られるかを今後調べる予定である。さらに、麻疹ウイルスレセプターCD46の麻疹ウイルス感染における役割を調べるために、ヒトCD46遺伝子をマウス細胞株に発現させた。CD46をマウス細胞は麻疹ウイルスに対する感受性が増加し、ウイルスの産生量も増加した。また、感染後、細胞融合を起こすようになった。また、CD46の機能部位を明らかにするためにCD46の種々のdeletion mutantを作製し同様にマウス細胞に導入した。その結果、CD46のshort consensus repeatのN末端領域が感染に関与すること、細胞内領域や感染や細胞融合に不用であることが明らかになった。
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