1995 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスによる免疫抑制の分子機構-麻疹ウイルス感染をモデルとして-
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06670322
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Research Institution | Kyusyu University |
Principal Investigator |
柳 雄介 九州大学, 医学部, 教授 (40182365)
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Keywords | 麻疹ウイルス / 免疫抑制 / CD46 |
Research Abstract |
われわれは,麻疹ウイルス感染をモデルとして,ウイルスによる免疫抑制のメカニズムの解明を目指している。麻疹ウイルスによる免疫抑制を研究するための動物モデルを作製する第一歩として,最近麻疹ウイルスレセプターをして同定されたCD46の遺伝子をマウス培養細胞に導入し,その細胞における麻疹ウイルスの増殖を調べた。その結果,ヒトCD46を発現させたマウス細胞では,ウイルスの増殖が増加するだけでなく,感染による細胞融合も認められることを明らかにした.さらに,CD46の機能ドメインを調べるために様々な欠失変異体を作製し,麻疹ウイルスに対する感受性を調べることによりCD46のSCR(short consensus repeat)1とSCR2が麻疹ウイルスの感染に重要であることを明らかにした。これらの情報を基に,われわれはヒトCD46の遺伝子を発現しているトランスジェニックマウスを樹立し,現在このマウスが麻疹ウイルスに対して感受性を示すかどうかを検討している。また,麻疹ウイルスによる免疫抑制のin vitroにおけるモデルとして,麻疹ウイルスに感染させたヒト末梢T細胞のマイトゲンに対する増殖反応の低下のメカニズムを解析した。その結果,ウイルス感染細胞上の麻疹ウイルス蛋白質とその周りの細胞の細胞表面分子の間の相互作用だけでは増殖抑制はおこらず,ウイルスが感染した細胞の中で増えることがT細胞の増殖抑制に重要であることが明らかになった。
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[Publications] Yanagi, Y.: "Measles virus infects mouse fibroblast cell lines, but its multiplication is severely restricted in the absence of CD46." Archives of Virology. 138. 39-53 (1994)
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[Publications] Sakae, H.: "L cell clone developing plaques upon infection with measles virus (Edmonston strain)." Archives of Virology. 139. 427-430 (1994)
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[Publications] Seya, T.: "Blocking measles virus infection with a recombinant soluble form of, or monoclonal antibodies against, membrane cofactor protein of comprement (CD46)." Immunology. 84. 619-625 (1995)
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[Publications] Iwata, K.: "Diversity of sites for meales virus binding and for inactivation of complement C3b and C4b on membrane cofactor protein CD46." The Journal of Biological Chemistry. 270. 15148-15152 (1995)
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[Publications] 柳雄介: "麻疹ウイルスの感染および免疫抑制機構" ウイルス. 45. 117-123 (1995)
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[Publications] 柳雄介: "麻疹ウイルスレセプター,CD46" ウイルス. 45. 159-164 (1995)