1994 Fiscal Year Annual Research Report
強い中和活性を持つヒト抗HCMV抗体のファージ・大腸菌発現系による作製
Project/Area Number |
06670336
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
井原 征治 東海大学, 医学部, 助教授 (50096202)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹腰 正隆 東海大学, 医学部, 講師 (80221373)
|
Keywords | ヒトモノクローナル抗体 / 抗HCMV中和抗体 / ファージ発現系 |
Research Abstract |
臓器移植医療では、免疫抑制剤の使用が必須となるが、免疫不全状態におかれる患者の中に、潜在化していたヒトサイトメガロウイルス(HCMV)が再活性化し、重篤な感染症をひきおこす例があり、その阻止が大きな課題となっている。そこで、新しい発想に立つ対策として、遺伝子組み換え技術を使い、M13ファージ・大腸菌発現系によりヒトモノクローナル抗HCMV中和抗体を作製する技術の確立をめざした。 申請年度内に得られた成果は (1)多様性に富む抗体遺伝子(ヒト,IgG)を増幅するための22種類のPCR用プライマーの設計を行い、また、抗体遺伝子のH鎖とL鎖を同時にクローニング・発現できる2種類の発現ベクターを作製した(ファージミドベクター、pRPLS/Fab-l及びpRPLS/Fab-llと命名)。 (2)HCMV中和抗体を有するヒトのスクリーニングをおこない1600x倍程度の高い中和抗体を有するヒトを11人みつけた。これらのヒトの協力を得て、末梢血よりリンパ細胞を分画し、mRNAをとり、上記のプライマーを使用してRT-PCRでIgG抗体遺伝子のL鎖の全領域およびH鎖のFd領域を増幅した。 (4)増幅したL鎖とH鎖FdのDNA断片を第1発現ベクターpRPLS/Fab-lにクローニングし、Fab抗体を発現させた。 現在は、HCMVの産生する蛋白質のうち中和エピトープを持つgB蛋白質に焦点を絞り、gB遺伝子のクローニングと組み換えgB蛋白質の発現を行っている。これを抗原にして抗gB抗体のクローンニングを行う。次いで、中和エピトープを持つ2番目の蛋白質であるgHにも対象を広げていく。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] S.Ihara,M.Takekoshi,N.Mori,S.Sakuma,J.Hashimoto,and Y.Watanabe: "Identification of mutatibn sites of a temperature-sensitive mutant of HCMV DNA polymerase activity" Arch.Virol.137. 263-275 (1994)
-
[Publications] 井原征治,猪子英俊: "バイオテクノロジー概論" 朝倉書店, 200 (1995)