1995 Fiscal Year Annual Research Report
ジーンターゲティングによるB細胞リセプターの機能の解析
Project/Area Number |
06670362
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 哲也 東京大学, 医学部(病), 助手 (30189047)
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Keywords | Bリンパ球 / 抗原リセプター / Ig-α / Ig-β |
Research Abstract |
1.ヒトIg-βのgenomic cloningを終了し,Ig-β遺伝子が約2kbの長さにわたり4つのエクソンに分かれて存在することを明らかにした.これにより,既にクローニングされているIg-α遺伝子とあわせ,Ig-α,Ig-βのジーンターゲッティングの準備が終了した.しかしながら,B細胞株を用いた遺伝子導入の予備実験の結果,B細胞株での遺伝子導入の効率がかなり低いことが明らかになり,この系でIg-α,Ig-β欠損B細胞株を樹立するのは困難であると考えられた. 2.この結果を考慮し,目的を達成するための第2の方法としてIg-α、Ig-βを欠如したB細胞の突然変異株の誘導を試みた.B細胞株(Ramos,Daudi)に300-500radのγ線照射を行った後,培養液中に抗IgM抗体を加え表面IgM陽性のwild typeの増殖を抑制することで表面IgM陰性のクローンを選択的に増殖させ,最終的にpanning法で表面IgM陰性の変異B細胞株を得た. 3.現在,これらのクローンの内Ig-αまたはIg-βの欠損が表面IgMの消失の原因となっているものを同定中であり,これに変異Ig-α,Ig-β遺伝子を遺伝子導入することで当初の目的を達成する計画である. 4.1の解析中,ヒトIg-α,Ig-β遺伝子の転写産物に亜型の存在することが明らかとなった.この亜型は,B細胞活性化におけるB細胞リセプターの発現減少に何らかの関与をしているものと考えられる.
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