1994 Fiscal Year Annual Research Report
地域における高齢者のうつ状態の予防とケアに関する研究
Project/Area Number |
06670399
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
生地 新 山形大学, 医学部・附属病院, 講師 (20185177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 由起子 山形大学, 医学部, 助教授 (70113983)
安村 誠司 山形大学, 医学部, 助教授 (50220158)
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Keywords | 高齢者 / うつ状態 / 疫学 / 構造化面接 / 日常生活動作 / ソーシャル・サポート / 心理学 / 精神保健 |
Research Abstract |
山形県長井市在住の高齢者に、自己評価式抑うつ尺度GDSと構造化診断面接SCIDを施行し、それらの結果を参考にしてうつ状態の診断をおこない、本人と家族から、生活状況や身体的な健康状況などを聴取した。具体的には、短縮版のGDS得点で6点以上の者206名とGDS得点5点以下の者から無作為に抽出された117名に対して、家庭を訪問して面接を施行した。痴呆をともなった者や寝たきりの者は、対象から除外した。 GDS得点6点以上の206名のうち、臨床的なうつ状態(大うつ病、気分変調症、抑うつ気分を伴う適応障害など)と判断された者は38名であった。この38名(A群)と臨床的にはうつ状態でなかったがGDS得点6点以上の者144名(B群)、うつ状態ではない精神的に健康な者107名(C群)の3群について、心理社会的な要因や身体的な要因に差があるかどうかを検討した。その結果、うつ状態のA群は、精神的に健康なC群に比べて、日常生活動作の能力が低く、高次活動能力も低く、家庭内の葛藤を抱えている者が多く、社会的なサポートも少ないという傾向が明らかになった。また、GDSが高得点だが臨床的なうつ状態ではないと判断されたB群は、C群に比べて、高次活動能力が低く、社会的なサポートも少なく、地域活動に参加していない傾向があることが明らかになった。以上の結果から、臨床的なうつ状態に陥る要因として、身体的な能力の低下に加えて、家庭内の葛藤や社会的なサポートの不足が関与していることが示された。また、GDS得点が高いことは、明らかなうつ状態ではなくとも、うつ状態に陥る危険性が高いことを示すものと考えられた。
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