1995 Fiscal Year Annual Research Report
ライフスタイルから見た青年期女性喫煙者の特性の総合的検討
Project/Area Number |
06670413
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
村松 常司 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70024065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 利弘 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40144183)
古田 真司 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90211531)
|
Keywords | 青年期女性 / ライフスタイル / 喫煙習慣 / エゴグラム / 保健指導 / 妊婦 / コチニン / 一酸化炭素ヘモグロビン |
Research Abstract |
青年期の女性約1000名を対象にして、日常生活行動様式やBreslowの7つの健康習慣(ライフスタイル)と喫煙習慣との関連を調査し、さらに、性格特性がそれらにどう関連しているかを追究することを目的とした調査を行った。その結果、喫煙者は自動車運転を楽しむ、コーヒーや酒を飲む、化粧をする、流行として女性の生き方を取り入れる、周囲の目を気にしないなどの外向的な行動パターンをとっていることが認められた。また、喫煙者は毎日朝食をとらない、睡眠時間が短い、栄養のバランスに気をつけないなど、健康に対する価値づけが低いということが認められた。喫煙者のエゴグラムではFC(自由奔放さ)が高く、A(客観的判断力)、AC(順応性)が低かった。つまり、天真爛漫で活発だが協調性に欠ける。それに比較して、非喫煙者のエゴグラムではA、ACが高く、FCが低かった。すなわち非喫煙者は社会適応度が高いことが認められた。 一方、喫煙女性に対する効果的な健康指導を行なうための資料を作成するために、妊娠中の女性対象とした2つの調査を行った。第1に、38名の喫煙妊婦(初産婦)に対して、体型や年齢および妊娠週数を一致させた対照(初産婦)を任意に選んで、マッチド・ペア法による検討を行なった。喫煙の影響は、胎盤の重量の減少や、妊婦自身の妊娠中の体重増加の形であらわれた。第2に、喫煙妊婦15名と喫煙していない妊婦11名を対象に、血中および尿中コチニンと臍帯血コチニン、血中一酸化炭素ヘモグロビン(以下:COHb)および臍帯血COHbの測定値の比較を行った。その結果、母体血COHb濃度は妊婦の喫煙状況や児の発育と関連があり、これらを把握できる有力な指標となることが確認された。青年期女性の喫煙はこうした妊娠出産の問題と切り離せないことから、本研究によって得られたデータが、青年期女性の喫煙防止教育に利用できると思われる。
|
-
[Publications] 松村常司: "青年期女性の喫煙習慣とライフスタイルに関する研究 (その1)喫煙習慣とライフスタイルとの関連および性格特性からの比較" 愛知教育大学研究報告. 44. 77-86 (1995)
-
[Publications] 松村常司: "青年期女性の喫煙習慣とライフスタイルに関する研究 (その2)女子学生と社会人の比較" 愛知教育大学研究報告. 45. 39-44 (1996)
-
[Publications] 前田弘子: "初産婦における嗜好品の摂取と児の発育の関連-出生体重、頭囲、胎盤重量を指標として-" 母性衛生. 36. 125-130 (1995)
-
[Publications] 古田真司: "妊婦の喫煙が児の発育に及ぼす影響-母親の身長、体重、年齢および妊娠週数一致させたマッチド・ペア法による検討-" 愛知教育大学研究報告. 44. 87-92 (1995)