1994 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者痴呆症の早期発見を目的とした記銘力低下に関連するライフスタイルの研究
Project/Area Number |
06670428
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
久保 奈佳子 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (30178032)
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Keywords | 高齢者 / 痴呆症 / 早期発見 / 記銘力 / ライフスタイル / 脳血流障害 |
Research Abstract |
本年度は日常生活に支障のない65歳以上の高齢者を対象にライフスタイルに関する問診と痴呆の早期発見のためのスクリーニング検査の簡便法の検討を目的とした調査を実施した。 ライフスタイルに関する調査については、平成6年7月から同年9月にかけて調査を行い、平成7年3月1日現在で約50名の調査票を回収した。現在、回収と並行して未記入部分の問い合わせを行っている。 痴呆の早期発見のためのスクリーニング検査としてRaven色彩マトリクスによる知的機能検査(RCPM)、Reyの複雑図形の模写および直後再生による視覚的記銘力検査、三宅式言語記銘力検査(有関係および無関係対語)を個別に実施した。現在までに約50名の検査を終了した。 上記のスクリーニング検査を行った対象者のうち、男性15名、女性17名の合計32名(50歳代6名、60歳代14名、70歳以上12名)について^<99m>Tc-SPECT(GE社製Starcam3000XC/T)による脳血流量検査を実施した。その結果、1.SPECTで血流障害(微小例を含む)を認めた年代別の割合は50歳代で16.6%、60歳代で42.8%、70歳以上で66.7%であった。2.各スクリーニング検査における年代間の有意差はなかった。3.各々のスクリーニング検査の平均値は脳血流障害群が非脳血流障害群にくらべて低く、特にあRCPMで有意に低下していた。 なお、上記の問診と検査はいずれも対象者の同意を得た上で行った。
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