1995 Fiscal Year Annual Research Report
疫学調査への適用めざした喫煙曝露量定量化のための尿中ニコチン簡易測定法の開発
Project/Area Number |
06670431
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
米増 國雄 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40028618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 伸夫 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (00254491)
土肥 祥子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50155628)
車谷 典男 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (10124877)
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Keywords | タバコ煙曝露 / コチニン定量 / 酵素抗体法 / 簡易測定法 / 疫学調査への応用 |
Research Abstract |
平成6年度に実施してきた定量法は測定値の再現性・鋭敏度で、決して優れたものでないことが実際に定量を繰り返す内に明らかにされた。原因として、これらの抗血清はCNとnativeの担体タンパクに対する抗体以外に担体タンパクとコチニン(CN)の架橋部に対する抗体までも含むことが考えられたので、4′-カルボキシコチニン(CN)をカルボジイミドにてカサ貝ヘモシアニン(KLH)に結合させたCN-KLH複合体を抗原として、ウサギを免疫、KLHを結合させたセファローズ4Bカラムを通過させた抗血清画分をポリクロナール・モノスペシフィックCN抗体(As/CN)として用いることにし、コチニン検出限界1ng、測定可能範囲1ng〜4μgときわめて優れたその上迅速性においてもこれまでのものよりはるかに優った定量法が開発された。その概要は、既知濃度のCN-ウシチログロブリン(TG)をマイクロタイタ-用プレートに固定、尿検体または検量線作成のため標準溶液としての濃度既知のCN-TGおよびAs/CN希釈液の一定量を添加、反応後ペルオキシダーゼ標識ロバ抗ウサギ1gGを添加、基質のABTSで発色、415nmと475nmの吸光度を測定、検体尿中のコチニン量を算定するものである。 本ELISAによる某百貨店従業員301名(non-smoker165,passive-smoker48,smoker88)の3群について尿中コチニンを定量、濃度分布の中央値[25%,75%tile]ng/mlは、non-smoker passive-smoker、smokerで各々10[2.5,28]ng/ml、95[40,145]ng/ml、3000[1300,5000]ng/mlとなり、従来のアンケート法では不可能であったタバコ煙曝露量の正確な算定は勿論、今後の職場での分煙効果の正確な評価に大いに貢献すると思われる。
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Research Products
(1 results)