1994 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスにおけるアポトーシス誘導Fas抗原の発現異常に関する研究
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06670475
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 清一 北海道大学, 医学部, 講師 (30150246)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / アポトーシス / Fas抗原 / 可溶性Fas抗原 / c-fos / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
平成6年度の研究計画に従い,全身性エリテマトーデス(SLE)におけるFas抗原発現異常の解析とSLE病態との関係並びにFas抗原の機能的解析を行った.更に,Fas抗原の発現調節機構を解明するために,c-fosトランスジェニックマウスを利用した解析も行った. 1.SLE患者末梢血では,健常人や慢性関節リウマチ患者とは異なり,ナイーブT細胞においてFas抗原が陽性であった.しかも,早期及び中期活性化抗原であるCD25やCD71も同時に発現する一方,HLA-DR抗原はほとんど発現されないことから,SLEのナイーブT細胞は比較的最近活性化されたことが明らかとなった.また,すでにFas抗原を発現しているメモリーT細胞もSLEではFas抗原の発現増強がみられた. 2.ナイーブ及びメモリーT細胞に発現増強したFas抗原がアポトーシスを誘導できるかどうかを調べるために,SLE及び健常人の末梢血単核細胞を抗Fas抗体と共に培養し,DNAの断片化と生存率を検索したが有意の差は見出せなかった. 3.SLEのT細胞におけるFas抗原の発現増強と臨床的パラメーターとの相関を解析すると,循環CD4陽性T細胞サブセットの絶対数とFas抗原密度に有意の逆相関を認めた.生体内ではFas抗原密度の増強がアポトーシス感受性を亢進させていると考えられたが,しかし,実際にFas抗原を介してアポトーシスによる細胞数減少かどうかは不明であった. 4.Fas抗原の発現調節機構を解析するために,転写因子の一つであるc-fosを構成的に発現させたトランスジェニックマウスを解析した.c-fosマウスでは,Fas抗原mRNAの発現が増強しており,Fos/Jun複合体(AP-1)がFas抗原の発現調節に関与していることがわかった. 5.SLEの末梢血単核細胞におけるFas抗原mRNAの解析中に,模型Fas抗原とは異なる分泌型Fas抗原mRNAの存在を見出した.SLEでは分泌型Fas抗原mRNA/模型Fas抗原mRNA比が上昇していた.実際に,SLE血清中には可溶性Fas抗原が有意に増加しており,免疫応答局所では可溶性Fas抗原によるFas抗原とFasリガンドの結合抑制が示唆された.
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Kiyoshi Mori: "In vivo cytokine gene expression in various T cell subsets of the autoimmune MRL/Mp-lpr/lpr mouse" Autoimmunity. 17. 49-58 (1994)
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[Publications] Tamio Koizumi: "Deregulated expression of c-fos disturbs proliferative responses of B cells to slg cross-linking" Cellular Immunology. 155. 384-393 (1994)
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[Publications] Kazuo Ohtsuka: "Expression of Fas mRNA by liver MNC,consisting of extrathymic T cells,in mice" Biomedical Research. 15. 281-286 (1994)
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[Publications] Yutaka Ochi: "Analysis of IL:2 gene regulation in c-fos transgenic mice.Evidence for an enhancement of IL-2 expression in splenic T cells stimulated via TCR/CD3 complex" Journal of Immunology. 153. 3485-3490 (1994)
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[Publications] Yoshiharu Amasaki: "Up-regulated expression of Fas antigen(CD95)by peripheral naive and memory T cell subsets in patients with systemiclupus erythematosus:apossible mechanism for lymphopenia" Clinical and Experimental Immunology. 99. 245-250 (1995)
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[Publications] 小林清一: "自己免疫疾患におけるFas抗原の発現異常" シンポジウム炎症と免疫. 3. 16-23 (1994)
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[Publications] 小林清一: "アポトーシスと自己免疫" 内科. 73. 635-639 (1994)
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[Publications] 小林清一: "SLEモデルマウスおよびヒトSLEにおけるFas抗原系の異常" 医学のあゆみ. 170. 131-134 (1994)
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[Publications] 天崎吉晴: "SLEにおけるFas抗原発現異常" 臨床免疫. 26. 1205-1213 (1994)
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[Publications] 小林清一: "自己免疫疾患" 山本一彦, 172 (1994)