1994 Fiscal Year Annual Research Report
シェ-グレン症候群における唾液腺内浸潤T細胞およびその対応抗原の解析
Project/Area Number |
06670478
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
住田 孝之 千葉大学, 医学部, 助手 (00183054)
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Keywords | シェ-グレン症候群 / T細胞レセプター / 自己反応性T細胞 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
シェ-グレン症候群(SS)の病因解明のために、申請者は、SS患者における口唇唾液腺内浸潤T細胞のT細胞レセプター(TCR)遺伝子について、分子生物学的手法を用いて解析し、そのレパトアが比較的限定されていること(TCRVβ2およびVβ13遺伝子)を明らかにしてきた。本年度は、もう一つのTCRの構成成分であるTCRVα遺伝子についてinverse PCR法を用いて解析した。その結果、個々の症例において口唇唾液腺内浸潤T細胞のTCRVα遺伝子レパトアが比較的限られていること(Vα17、Vα2、Vα11)、Jα遺伝子の使用に症例を越えて共通性がみられること(64%が同一Jα遺伝子)、が判明した。以上の事実から、シェ-グレン症候群患者口唇唾液腺内浸潤T細胞は、Vα遺伝子もTCRVα遺伝子と同様に比較的限られたTCRレパトアを使用していることが明らかにされた。次に、口唇唾液腺局所に高頻度に発現の認められVβ2およびVβ13陽性T細胞から、TCRVβ遺伝子をコードするcDNAをクローン化しclonalityの検討とともに、抗原認識部位であるCDR3領域についてそのアミノ酸塩基配列を解析した。その結果、一部のT細胞がクローナルに増加していること、CDR3領域の一部のアミノ酸が保持されていることが明らかにされた。このことは、口唇唾液腺内浸潤自己反応性T細胞が抗原刺激により増加し、その認識抗原エピトープが限られている可能性を示唆した。来年度は、SS患者の口唇唾液腺からT細胞株を樹立し、その対応自己抗原について解析を進める。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sumida,T.et al.: "T cell receptor Vα repertoire of infiltrating T cells in labial salivary glands from patients with Sjogren's syndrome." J.Rheumatol.21. 1655-1661 (1994)
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[Publications] Sumida,T.et.al.: "HLA-DR alleles in patients with Sjogren's syndrome over-representing Vβ2 and Vβ13 genes in the labial salivary glands." Br.J.Rheum.33. 420-424 (1994)