1995 Fiscal Year Annual Research Report
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06670482
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
浜崎 智仁 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (70167592)
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Keywords | ミ-ド酸 / リノール酸 / ロイコトリエンB_4 / 脂肪酸構成 / 炎症 / 腹腔細胞 |
Research Abstract |
[はじめに]ミ-ド酸(20:3n-9,以下MAと略す)はリノール酸(18:2n-6,LA)欠乏時に体内で合成される多価不飽和脂肪酸である。LA欠乏にすると、SLEの実験動物モデル(NZB/WF1マウス)で症状の改善が見られることより、MAに生理作用があると考えられる。そこでラットにMAを投与し、ロイコトリエンB4(LTB4)産生がどう変化するか、また組織中の脂肪酸構成がどうなるかを検討した。 [方法]雌性Dark Agoutiラット(5週齢)に実験食を投与した。実験食の総脂質含有量は5%(wt/wt)とし、その中のMAとLAの%を以下のようにした。実験食1(MA16%,LA4%),2(12%,4%),3(12%,19%),4(8%,4%),5(8%,19%),6(4%,4%),7(4%,19%),8(0%,4%),9(0%,19%)。残りの脂肪酸は主に飽和脂肪酸とオレイン酸で調節した。投与4週後に、腹腔細胞を採取し、脂肪酸構成とカルシウムイオノフォア刺激によるLTB4産生能を測定した。各臓器の脂肪酸構成も測定した。 [結果]腹腔細胞中のMA含有量はLA4%群(実験食1,2,4,6,8,)でも19%群(実験食3,5,7,9)でも投与量が増加することにより直線的に増加しており、LA19%群では4%群に比較してMAは低下していた。LTB4産生は腹腔細胞中のMAが増加するにつれ低下していた。また各臓器でもLA4%群の方が19%群よりMA含有量が増加していた。 [考察]MA投与によりLTB4産生が低下することが判明した。この効果を増大させるためには、LAがMAと拮抗することから、LA投与量を減らすことが必要と思われる。今後MAの抗炎症作用をNZB/WF1等で示すことが重要である。
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