1995 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチ滑膜病変部に発現されるインターロイキン10に関する研究
Project/Area Number |
06670485
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山村 昌弘 岡山大学, 医学部, 助手 (80252956)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 賢一 岡山大学, 医学部, 助手 (00243452)
柏原 直樹 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (10233701)
|
Keywords | 慢性関節リウマチ / インターロイキン10 / 滑膜 / 炎症性サイトカイン / インターフェロン-γ / リウマトイド因子 / マクロファージ / T細胞 |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(RA)および変形性関節症(OA)の滑膜病変部でのIL-10mRNAの発現、分布をin situ RT-PCR法を用いて検討したところ、RAでOAと比較してIL-10の発現が強く、主な陽性細胞は滑膜表層細胞と表層下に浸潤したマクロファージ系の細胞であった。RA滑膜より精製したマクロファージはIL-10mRNAを構成的に発現し、IL-10蛋白を自発的に産生した。IL-10は、主にマクロファージが産生するIL-1、TNF-α、IL-8、T細胞が産生するIFN-γの炎症性サイトカインを完全ではないが、強く抑制した。しかし、滑膜線維芽細胞が産生するIL-6は抑制せず、IL-1 receptor antagonistは増強した。一方でIL-1、TNF-αはマクロファージのIL-10産生を強く刺激した。さらに、IL-10の滑膜T細胞のIFN-γ抑制はマクロファージからのIL-12を介した抑制であることが明らかになったが、他のT細胞サイトカインであるIL-2、IL-4はin vivoですでに強く抑制されているため、IL-10の関与は明らかにすることが出来なかった。また滑膜T細胞の増殖も弱く、IL-10の抑制効果も有為なものとしてとらえることは出来なかった。lgGクラスのリウマトイド因子は、RA関節液中の各種サイトカインの中では、IL-10、IL-6と正の相関を認めたが、滑膜浸潤B細胞からの産生は検出感度以下で、未だ滑膜におけるリウマトイド因子への関与は間接的な証拠のみである。昨年度の結果と合わせ、以上のことより、炎症の増強に伴いマクロファージより産生されるIL-10は、滑膜でのマクロファージ、T細胞の炎症性サイトカインの産生を制御することにより、炎症の慢性化に関与し、またリウマトイド因子の過剰産生にも関与していると推定され、さらに詳細に検討し、結果を発表する予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Morita,Y.,et al.: "Anti-Inflammatory Properties of Interleukin-13 in Rheumatoid Synovial Inflammation" Arthritis & Rheumatism. 38. S353 (1995)
-
[Publications] Okamoto,H.,et al.: "Constitutive Activation of NF-KB in Rheumatoid Synovium" Arthritis & Rheumatism. 38. S353 (1995)
-
[Publications] Yamamura,M.,ea al.: "The Expression of Interleukin-12 as an inducer of T Helper Type 1-Specific Immane Responses in Pheumatoid Synovitis" Arthritis & Rheumatism. 38. S354 (1995)
-
[Publications] Harada,S.,et al.: "Interleukin-7 Production by Rheumutoid Synovial Fibroblasts" Arthritis & Rheumatism. 38. S355 (1995)
-
[Publications] 山村 昌弘: "CD8^+Th2細胞とサプレッサーT細胞との関連" 臨床免疫. 28. 245-249 (1996)