1994 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイスルの遺伝子変異検出とその病態との関連についての検討
Project/Area Number |
06670487
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 純 九州大学, 医学部, 助教授 (20150443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 良樹 九州大学, 医学部, 医員
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
polymerase chain reaction(PCR)法を用いてC型肝炎ウイルス(HCV)のRNAおよびそのゲノタイプを測定し、competitive PCR法を用いてHCVRNA量を測定し、それらの臨床的な意義および疫学的な意義を検討した。 慢性のHCV感染者225例についてみると、そのゲノタプはII型が67.8%、III型が17.3%、IV型が14.9%で、I型は1例も存在しなかった。HCVRNA量はゲノタプII型で10^<5.8+1.0>コピー/mlで、III型の10^<5.1+1.2>コピー/mlとIV型の10^<4.8+1.1>コピー/mlに比較して有意に高値を示した。HCVRNA量は年齢と関連がなく、また慢性肝炎、肝硬変、肝癌などの病態とRNA量はゲノタイプとのみ強く相関していた。 さらにインターフェロンの投与を受けたC型慢性肝炎患者80例について、HCVRNAのゲノタイプおよび量を含めた種々の因子とインターフェロンの効果との関連についてみた。インターフェロン投与終了後6カ月で血清中のHCVRNAの陰性化およびトランスアミナーゼ値の正常化がみられたものをインターフェロン有効群とした。有効例は無効例に比較して患者側の因子として年齢が低く、肝組織において線維化が少ないこと、またウイルス側の因子としてHCVRNA量が低値であることとが判明した。またゲノタイプII型に有効例が少なく、III型に有効例が多くみられた。以上のインターフェロン有効因子を多変量解析で分析すると、インターフェロンの効果を予測する因子として重要であったのはHCVRNA量とゲノタイプのみであった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 林 純、他: "A statistical analysis of predictive factors of response to human lymphoblastoid interferon in patients with chronic hepatitis C" The American Journal of Gastroenterology. 89. 2151-2156 (1994)
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[Publications] 林 純、他: "Relationship of Genotype to level of hepatitis C viraemia determined by competitive polymerase chain reaction" Journal of Infection. 30(印刷中). (1995)