1994 Fiscal Year Annual Research Report
単球系細胞における組織因子発現機序の細胞生物学的解析
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06670489
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡村 孝 九州大学, 医学部, 助手 (30136436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 晋一 九州大学, 医学部, 医員
権藤 久司 九州大学, 医学部, 助手 (10253428)
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Keywords | 組織因子 / 血小板活性化因子 / PAFレセプター / サイトカイン / エンドトキシン / DIC / 白血病細胞 |
Research Abstract |
組織因子(TF)は、単球や血管内皮細胞表面に病的状態で発現される分子量47kDaの膜貫通型糖蛋白である。近年ヒトTF遺伝子およびcDNAの単離解析が進み、その発現調節機序も次第に明らかになりつつある。また、活性測定法およびモノクローナル抗体の進歩によりその濃度測定も容易になった。TF遺伝子の発現調節には5′プロモーター領域のTPA response elementやInflammatory response elementが存在し、エンドトキシン(LPS)や各種サイトカインが重要な調節因子と考えられている。我々は、研究室で樹立した単球系白血病細胞株を用いてTF発現調節機序を検討した。この細胞にLPSを加えると容量および時間依存性にTF発現がみられ、以後LPS1μg/ml、4時間培養で実験を行った。この系でTFモノクローナル抗体を用いたflow cytometer でTFの発現を免疫学的にも確かめた。LPS添加により培養上清へのTNFαやIL-6の産生放出もみられた。本細胞株はCD14を有しているのでLPSのシグナルがCD14を介して細胞からのサイトカインおよびTFの発現を促進しているものと考えられる。また細胞内cAMP濃度を上げるforskolinや各種抗血小板剤(チクロピジン、ジラゼフ、トラピジ-ル)などはLPSによるTF活性増強作用を抑制することから、cAMPがTF発現調節に重要な働きを有していることが判明した。血小板活性化因子(PAF)は、それ自体ではTF活性に影響を与えないが、LPSと同時に投与するとTF活性がLPS単独より2-3倍増強された。これは、PAFのレセプター拮抗剤であるSM-12502を加えることにより抑制されることからPAFレセプターを介する調節機序が関与しているものと推察される。今後、PAFによるTF発現機構について細胞内シグナル(NFkB、jun、fos)やレセプターのLPSに誘導などをmRNAレベルで解析する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Okamura: "Treatment of disseminated intravascular coagulation and its prodroinal stage with gabaxate mesilate(FOY):Amulti-center trial" Acta Haematol.90. 120-124 (1994)
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[Publications] M.Murakawa: "A comparative study of partial primary structures of the catalytic region of mammalian protein C" Br.J.Haematol. 86. 590-600 (1994)
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[Publications] M.Murakawa: "Analysis of the partial nuclsotide soquenus and diduded primary shachures of the protease domains of marmmalian blood coagulation factors VII and X." Eur.J Haematol. 52. 162-168 (1994)