1995 Fiscal Year Annual Research Report
Debrisoquinの中枢神経への影響-パーキンソン病の発症候補物質としての検討-
Project/Area Number |
06670502
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
若田 宣雄 東邦大学, 医学部・第四内科学教室, 教授 (70057628)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新妻 正道 東邦大学, 医学部・第四内科学教室, 助手 (70198414)
荒木 洋 東邦大学, 医学部・第四内科学教室, 講師 (80120228)
|
Keywords | debrisoquin / パーキンソン / モノアミン |
Research Abstract |
昨年10月から測定方法を改善した。従来行ってきた方法では抽出行程が長くサンプルの回収率が劣るため、測定結果が正確でないのではないか、多くのモノアミンを一度に測定できないなどの点が危惧されたため、kilts, CDらの方法(J Chromatography, 225:347-357,1981)に改良を加え初年度分から実験をやり直した。 方法)対照・debrisoquin 5mg/kg・50mg/kg 14日間腹腔内投与し、マイクロウエイブ照射により屠殺後、脳の各部位を採取し、高速液体クロマトグラフィー・電気化学検出器によりdopamine, DOPAC, 5-HT, 5-HIAA, HVAを測定した。 結果)脳内各部位でdopamineは上昇し、DOPACも若干増加した。 最も著しいのは線条体のdopamineで対照28.486±15.966から5mg/kgで94.777±42.761,50mg/kgでは125.830±59.498mg/mg proteinと容量依存性に上昇した。 考案)私どもは末梢性MAO-A阻害剤であるdebrisoquinのパーキンソン病への悪影響を考えこの実験を立案したが、この結果からはむしろ脳内のdopamine濃度を増加し、本症に試みるべき薬剤と考えられた。しかし、この実験が囓歯類であるラットでおこなわれ、ラットではMAO-Bの阻害を受けにくい点は考慮にいれる必要がある。この薬剤はすでにカナダその他で高血圧症に対する治療薬剤として使用されており、パーキンソン病に試みてみる必要がある。最終年度は脳血液関門の破壊されたラットに投与されたときの影響を検討する予定である。
|