1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670508
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
矢野 忠 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (70166560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 文彦 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (80238485)
石崎 直人 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (90212878)
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Keywords | 神経血流 / 鍼 |
Research Abstract |
鍼治療の末梢神経障害、特に糖尿病性神経障害に対する鍼治療の作用機序を検討するため、末梢神経障害の病態の一つとして考えられている神経血流の減少に対する鍼刺激の効果について麻酔ラットの坐骨神経を対象に実験を行なった。 (1)レーザドプラー組織血流計によるラットの坐骨神経の神経血流の測定について ラットの坐骨神経の神経血流がレーザドプラー組織血流計で安定的に測定出来るか否かについての基礎的な検討を行なった。その結果、ラットの坐骨神経の神経上膜血流を安定的に測定することが可能であった。特にレーザドプラー組織血流計の優れ点は神経上膜血流をリアルタイムで測定でき、継時的な変化を観察する上で有用な手法であることが明らかとなった。 ラット腰部への刺鍼刺激の坐骨神経の神経上膜血流に及ぼす影響 ラット腰部への刺鍼刺激により坐骨神経の神経上膜血流は反射的に減少する傾向を示した。この現象は知覚神経を求心路とした遠心性交感神経による血管収縮による反応と示唆された。 ラット腰部への置鍼刺激中における坐骨神経の神経上膜血流の変化 ラット腰部への置鍼刺激中では、刺鍼時、坐骨神経の神経上膜血流は一過性に減少を示したが徐々に増加する傾向を示した。この現象は遠心性交感神経の活動性が抑制され、コリン作動性神経線維の亢進による反応と示唆された。 以上、これまでの結果から鍼刺激は神経血流を増加させる作用を有することが示唆され、その機序としてのコリン作動性神経線維の関与が考えられ。この点については次年度(平成7年度)で自律神経遮断剤等の処置による実験計画で明確にする予定である。 なお、マイクロスコープによる坐骨神経の神経上膜の血管の直接撮影による形態的な血管の変化については良好な映像を得ていないので撮影条件などの点について更に検討わ重ねなければならない。
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