1995 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染者のT細胞機能障害における接着分子の関与
Project/Area Number |
06670510
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
織田 進 産業医科大学, 医学部, 助教授 (80035237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (90010347)
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 助手 (30248562)
永田 一彦 産業医科大学, 医学部, 助手 (10248560)
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Keywords | hemophilia / HIV / 接着分子 / ATL |
Research Abstract |
血友病患者について、HIV感染者7名および正常対象者6名から単核細胞を分離し、T細胞(CD4、CD8)、単球(CD14)、B細胞(CD19)の接着分子、活性化マーカーおよびサブセットマーカーを測定した。各マーカーの陰性コントロールにはthy1,2を使用した。接着分子として、β1 (VLA-β1) (CD29), α4 (VLA-α4) (CD49d), α6 (VLA-α6) (CD49f), αL (LFA-1α) (CD11a), β3 (CD61), β7, L-selectin (CD62L), ICAM-1 (CD54)を、活性化マーカーとして、HLA-DR, CD69, CD30, CD71を、さらにサブセットマーカーとしてCD45RO, CD26, β2-microglobulinを測定することにより、HIVに感染した血友病患者の免疫不全の発症機序についてリンパ球の接着分子異常の側面から検討した。T細胞に関しては、HIV感染によりβ3(CD61)が強度の平均および陽性細胞の割合が有意に低下していた。一方、B細胞と単球では、HIV感染の影響はなかった。 血友病患者の組織浸潤リンパ球を採取できなかったため、ウイルス感染細胞の接着分子の異常の例としてHTLV-1感染による成人T細胞白血病細胞を検討した。CD4陽性腫瘍細胞では、ICAM-1の発現増強による腫瘍細胞間接着を介して、サイトカインの産生および細胞増殖を惹起すること報告した。また、腫瘍細胞の接着分子発現と組織浸潤の関係を検討中である。 今後は、HIV感染のある血友病患者におけるCD61の発現減少の意義について検討するとともに、リンパ節や悪性リンパ腫など組織に浸潤したリンパ球の採取を試み、成人T細胞白血病細胞の特徴と比較検討したい。
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Research Products
(1 results)