1994 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌におけるチロシンホスファターゼの癌性変異に関する研究
Project/Area Number |
06670551
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
的崎 尚 神戸大学, 医学部・付属病院, 助手 (80252782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 祥剛 神戸大学, 医学部, 助教授
青山 伸郎 神戸大学, 医学部, 助手 (30243299)
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Keywords | 消化器癌 / チロシンホスファターゼ / SAP-1 / CEA |
Research Abstract |
私達が、独自にcDNAクローニングした受容体型チロシンオスファターゼ、SAP-1の過剰発現が、直接消化器癌の発癌に関与しているか否か、又、ヒト消化器癌組織においてSAP-1が過剰発現しているか否かを検討した。 (1)SAP-1のN末端、C末端に対する特異的抗体を作製した。両抗体は、培養細胞ライセ-トよりのSAP-1受渡沈降、ウエスタンブロッティング、及びヒト大腸癌組織のパラフィン切片を用いた免疫染色に用いる事が可能であった。 (2)SAP-1cDNAをNIH3T3細胞に、一過性に過剰発現させ、細胞のトランスフォーメーション能を検討した。しかしながら、SAP-1cDNA単独のトランスフェクションにては、明らかな細胞のトランスフォーメーションは認められなかった。さらに正常YMT、変異型p53遺伝子cDNAとの同時、トランスフェクション法にて、SAP-1の細胞癌化への関与を検討中である。 (3)ヒト大腸癌組織を、抗SAP-1C末抗体を用いて、免疫組織化学的に検討するとCEA陽性例の大部分の症例で、SAP-1の過剰発現が認められた。SAP-1の過剰発現の有無と大腸癌組織型との関連は、現在迄のところ、有意な相関は認められないが、今後、症例数を増し、検討する予定である。 (4)大腸癌患者・血清中のSAP-1免疫活性を測定する目的で、そのアッセイ系を開発中である。上記(1)で、述べたN末抗体を用いた検討では、明らかにSAP-1免疫活性の上昇を認める症例を確認しているが、さらに、鋭敏な測定系を開発する為に、SAP-1に対するモノクローナル抗体を作製し、これを用いた測定系を確定しつつある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Noguchi,t.: "Role of SH-PTP2,a protein-tyrosine phatase with src homology-2 domains,in Insulin-stimulated Ras activation." Mol.Cell.Biol.14. 6674-6682 (1994)
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[Publications] Matozaki,T.: "Src kinase tyrosine phosphorylates PTP1C,a protein tyrosine phosphatase containing src homology-2 domains,that down-regulates cell proliferation." Biochem.Biophys,Res.Commun.204. 874-881 (1994)
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[Publications] Uchida,T.: "Insulin stimulates the phosphorytaion of Tyr538 and the catolytic activity of PTP1C,a protein‐tyrosine phosphatase with src homology-2 domains." J.Biol.Chem.269. 12220-12228 (1994)
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[Publications] Matozaki,T.: "Molecular cloning of a human transmembrane-type proteintyrosine phosphatase and its expression in gastrointinal cancers." J.Biol.Chem.269. 2075-2081 (1994)