1994 Fiscal Year Annual Research Report
膵エラスターゼによる好中球のO_2、NOラジカルの産生の亢進と膵炎進展における意義
Project/Area Number |
06670567
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10158644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 康雄 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10236325)
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Keywords | 膵エラスターゼ / 活性酸素 / 好中球 / specific binding site / NADPH oxidase / 膵炎 |
Research Abstract |
これまで我々は,急性および慢性膵炎患者の好中球は,健常人のそれに比べてO_2-産生能が亢進していること,各種膵逸脱酵素なかで、膵エラスターゼのみがPMAで処理した好中球のNADPH oxidase活性を上昇させ,その結果としてO_2-産生能を増強することや,好中球には,膵エラスターゼに対するspecific binding siteが存在することを,見いだしてきた(Gut,35,1959-1664,1994). 本年度は,まず,この膵エラスターゼによる好中球のO_2-産生能増強機構について検討した.その結果,膵エラスターゼは,PMAの場合と同様に,炎症性サイトカインであるtumor necrosis factor(TNF)や好中球遊走因子であるfMLPで刺激した好中球のO_2-産生も増強することを,明らかにした. 次に,膵エラスターゼに対するspecific binding siteの解析を行い,以下の結果を得た.(1)膵エラスターゼに対するspecific binding siteには,膵エラスターゼと同様にPMA刺激好中球のO_2-産生を増強する,好中球エラスターゼも結合する.(2)specific binding siteに結合した膵エラスターゼは,経時的に細胞内に取り込まれ,分解された後,細胞外に排出される.(3)specific binding siteと膵エラスターゼの結合の至適pHは,pH6である.15EA04:現在,specific binding siteのmolecular size,および好中球以外の細胞での発現の有無について,検討中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsuji,N.et al.: "Specific interaction of pancreatic elastase and leukocytes to produce oxygen radicals and its implication in pancreatitis." Gut. 35. 1659-1664 (1994)
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[Publications] Watanabe,N.et al.: "Cytotoxic effect of neutrophils-induced superoxide against pancreatic acinar cells." Pancreas. (in press). (1995)