1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670587
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山内 克巳 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (00143420)
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Keywords | C型肝炎ビールス / キラーT細胞 |
Research Abstract |
平成6年度までの研究概要 HCVに様変異に富むウイルス性に対する免疫反応を解析する際には、ウイルスの変異を念頭において研究を進める必要があるということは、B型肝炎においてすでに明らかである。この観点から、平成6年度は、以下の2点について研究を進めた。まず第一に、肝炎患者血清中のHCVの変異とその臨床経過との関連を解析した。その結果、患者の臨床症状と関連して、HCVの外被蛋白(gp70)をコードしていると考えられている遺伝子領域内の超可変領域1(HVR1)の突然変異が起こる事を見いだし報告した(Int.J.Can.57,664-670,1994)。次いで、HCV感染において主要な免疫原性を有するコアーペプチドについて、その抗原決定基を解明する目的で、その核酸配列に従って10種類の合成ペプチドを作製し、それぞれについて、ELISA法を用いて、C型肝炎患者血清中の抗HCV抗体が認識するエピトープの解析を行なった。その結果、HCV感染後の急性期と慢性期において、出現する抗体が認識するエピトープが微妙に異なる事を見いだした(投稿中)。この事実は、従来血清学的には、鑑別が困難であった急性肝炎と慢性肝炎の新しい鑑別法として有用であると考えられる。現在、HVR1を含め、コアーペプチド等において、これまでに報告されているHLAクラスI抗原との結合モチーフを検討し、その結果に基ずいて、キラーT細胞が認識できるペプチドの解析を進めている。
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