1994 Fiscal Year Annual Research Report
生体顕微鏡による肺微小循環レベルにおける白血球動態の観察
Project/Area Number |
06670603
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
加藤 邦彦 千葉大学, 医学部, 助手 (00204462)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 修 千葉大学, 医学部, 助手 (60177045)
栗山 喬之 千葉大学, 医学部, 教授 (20009723)
|
Keywords | 肺微小循環 / 生体顕微鏡 / 摘出分離灌流肺 / 肺毛細血管 / 肺循環 / 白血球 |
Research Abstract |
平成6年度の予備実験において、好中球の肺微小循環での停滞部位は、そのほとんどが毛細血管レベルであり、かつその分岐部に多いことが観察された。本研究で用いている肺微小循環の観察は、造影剤などを使わず可能な限り生理学的条件下で行うことを特徴としているため、肺小動静脈および毛細血管の血管内壁を画像上に正確に捉えることは不可能であり、毛細血管の内径の正確な測定は行えなかった。しかしながら、停滞部位が毛細血管の分岐部に多いことを考慮すれば、生理学的条件下での好中球の停滞は、主として好中球の直径と毛細血管内径との関係、すなわち物理学的要因により規定されるものと考えられ、好中球および血管内皮に存在する接着分子の関与は少ないものと思われた。また、停滞をおこした好中球は、しばらく後には移動を再開し、約5分間の観察期間に全く動かず停滞したままのものはほとんど認められなかった。 平成7年度には、好中球の変形能を数種類の濃度のglutaraldehydeにて減弱させた場合に、平成6年度の成績から予想されるように、毛細血管での停滞数が増加するのかどうかを検討する予定である。 本研究では、こうした好中球の停滞数をコンピューターにより連続的に算出する予定としていたが、ビデオの画像上で停滞している好中球をコンピューターが認識する際に、いくつかの問題点が生じてきている。その一つとして、蛍光色素により標識された好中球が、毛細血管の分岐部に停滞をおこすと画像上、数個の断片に分かれて見えることがあり、停滞した好中球一個を数個に過大評価してしまうことが判明した。また、観察領域である胸膜直下の肺胞ではなく、内部の肺胞であっても蛍光色素が検出されることもあり、今後いくつかの改良が必要と考えている。
|
-
[Publications] Osamu Okada: "Temporal capillany perfusion patterns in single alveolar walls of intact dogs" J.Appl.Physiol.76. 380-386 (1994)
-
[Publications] Robert G.Presson,Jr.: "Stability of alveolar capillany opening pressures" J.Appl.Physiol.77. 1630-1637 (1994)