1994 Fiscal Year Annual Research Report
サルコイドーシスの発症および慢性化に関する多因子解析
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06670610
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長井 苑子 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (30217955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 範夫 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (50252515)
北市 正則 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (00161464)
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Keywords | サルコイドーシス / TCR(T細胞抗原受容体) / HLAタイピング / 日本人 / スウエーデン人 / フローサイトメトリー / TCRVβ22、CD8陽性T細胞 / HLAB61(40) |
Research Abstract |
日本人サルコイドーシス症例について、T細胞抗原受容体(TCR)の発現に一定の制限が認められるかどうかを、16例の未治療症例と、6人の健常人を対象に検討した。BALFと末梢血からT細胞を分離し、16種類のTCRに対するモノクローナル抗体と抗CD3、4、8抗体を用いて、フローサイトメトリーによる表面抗原の3色解析をおこなった。同時に、末梢血リンパ球を用いて、complement dependent microcytotoxicity testによるHLAクラスI(A、B、C)、II(DR、DQ)のタイピングを施行した。 結果として、特定のTCRV遺伝子の各サブセットの10%以上の発現の増加は、CD4陽性T細胞よりも、CD8陽性T細胞に多く認められた。患者群でのγδTCRの発現は、末梢血T細胞においてBALF T細胞よりも有意に多く検出された。加えて、末梢血T細胞におけるγδT細胞発現はサルコイドーシス症例では健常人より有意に増加していた。TCRV遺伝子発現のうち、特別なサブセットの発現増加はなかったが、HLAタイピングとの関連で検討すると、HLAB61(40)陽性を示した4例の症例のうち3例がBALF中のVβ22、CD8陽性T細胞の増加を示した。しかし、スウエーデン人症例でみられたVα2.3とHLADR3の相関は、日本人症例では見られなかった。 この検討から、同じ患者でも人種の差によってTCRレパートアの発現に差異があることが確認され、病態発生に関与する原因抗原ペプチドの多様性を示唆している可能性がある。今後、臨床経過で一部の発現の増加がどのように変化するかしないか検討を重ねる予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Grunewald J et al: "T cell receptor V gene expression in HLA-typed Japanese patients with pulmonary sarcoidosis" Am J Respir Crit Care Med. 151. 151-156 (1995)
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[Publications] Suzuki Y et al: "Analysis of fused-membrane structures in bronchoalveolar lavage fluid from patients with alveolar proteinosis" Am J Respir Cell Mol Biol. 12(in press). (1995)
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[Publications] Guzman J et al: "Immunocytochemical characterization of isolated human type II pneumocytes" Acta Cytologica. 38. 539-542 (1994)
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[Publications] Guzman J et al: "ICAM-1 and integrin expression on isolated human alveolar type II pneumocytes" Eun Respir J. 7. 736-739 (1994)
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[Publications] Tsutsumi T et al: "Soluble interleukin-2 receptor in blood from patients with sarcoidosis and idiopathic pulmonary fibrosis" Sarcoidosis. 11. 102-109 (1994)